インテルがデュアルコアPCを初公開、その性能は?
2005/1/13
インテルは1月12日、デュアルコアのプロセッサを搭載したPCを国内で初めて公開し、複数の映像を同時再生するデモを行った。インテルの代表取締役共同社長 吉田和正氏は「2005年はデスクトップ、サーバ、モバイルでデュアルコアのプロセッサを投入する」と述べ、デュアルコアを武器にデジタルホームを推進する考えを強調した。
インテルが公開したデュアルコア・プロセッサ搭載PC |
デモはインテルが試作したデュアルコア・プロセッサ搭載のPCで実施。1台のPCで2つの高品位ビデオ映像を再生し、2つのディスプレイに表示できることを説明した。従来のPCでは高品位ビデオ映像の複数再生は難しかったという。
また、デモでは、PCに携帯機器を接続し、高品位ビデオ映像を再生しながらコンテンツを携帯機器に転送する様子も紹介された。米インテルの副社長 兼 デスクトップ・プラットフォーム事業本部長 ウィリアム・M・スー(William M.Siu)氏は「1つのプロセッサに2つのコアを実装するデュアルコア技術で、複数のエンターテインメントを同時に処理できるようになる」と説明し、「ブロードバンドによる映画配信など新たなビジネス機会が生まれる」と述べた。
エンタープライズでは2005年、プロセッサやアプリケーションの64ビット化を進める。Itanium 2プロセッサとIntel EM64T対応Xeonプロセッサの普及の取り組みを強化する考え。吉田氏は「エンタープライズの上位から下位までの64ビット化を全面的に進める。マルチコア、デュアルコアの取り組みも推進する」と述べた。
インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏(右)とグレッグ・ピアーソン氏 |
製造技術では300ミリ・ウエハへの移行を加速する。吉田氏によると2004年末でプロセッサの80%以上が300ミリ・ウエハに移行。2005年は約1000億円の設備投資で3つの工場を新設し、300ミリ・ウエハと65nmプロセスへの対応をさらに進める。
インテルの代表取締役共同社長 グレッグ・ピアーソン(Greg Pearson)氏は2004年を振り返り、「デジタル家電景気ともいえる底堅い成長を遂げることができた」と述べた。しかし、2005年については「少々鈍化が予測される半導体市場に加えて、微細化や熱問題など多くの技術的な課題があり、2004年の成長を維持、拡大するのは非常にチャレンジングだ」と語り、状況が厳しくなるとの認識を示した。
(@IT 垣内郁栄)
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