デルが乗り越える「ブレードサーバが普及しない理由」
2004/12/15
デルは11月16日に出荷を開始したブレードサーバ「PowerEdge 1855」の説明会を12月14日に開催し、今後のブレードサーバ戦略を説明した。デルのエンタープライズ事業本部 ソリューション本部長 多田和之氏は1855について「高密度、高性能を保持したまま低価格を実現した。来年は一気にIAサーバに占めるブレードサーバのシェアが高くなる。デルのシェアも拡大する」とアピールした。
「PowerEdge 1855」を手に説明するデルのエンタープライズ事業本部 エンタープライズ事業開発部 マネージャー 布谷恒和氏 |
各ハードウェアベンダが提供しているブレードサーバだが、ITサーバ全体に占めるシェアは3〜4%程度ともいわれていて、当初の予想ほど普及しているとはいえない。多田氏はブレードサーバの市場について「高密度、高性能をアピールするため高価格になっているのが広まっていない理由」と分析した。デルのエンタープライズ事業本部 エンタープライズ事業開発部 マネージャー 布谷恒和氏もブレードサーバが普及しない理由について、1Uサイズのラックマウント型サーバと比較して価格が高い点や、スペック、性能が劣る点、運用管理性が低い点、シャーシの互換性の問題などを挙げた。
デルの1855は「いままでのブレードサーバに比べると半額に近い」価格が特徴。ブレードサーバは21万円から。シャーシは71万9000円からで、シャーシに10基のブレードサーバを搭載した場合の価格は281万4000円となる。「1Uラックマウント型サーバと比較すると6サーバ以上でブレードサーバの方が割安になる」といい、「大量の1Uサーバを使う顧客がブレードサーバを選択する環境になる」(多田氏)とみている。
デルでは、ブレードサーバの用途としてWebサーバやxSPのインターネットサービス、アプリケーションサーバ、業務アプリケーションの統合サーバ、科学技術計算に利用するハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)などを挙げた。デルは1855の後継となる次世代ブレードサーバも開発中で、インテルが開発しているマルチコアのプロセッサを搭載する計画。次世代ブレードサーバは1855のシャーシと互換性を持たせるという。
デルはブレードサーバを活用し、サーバ仮想化のソリューションを展開する。新たにVMwareのサーバ仮想化製品「VMware ESX Server 2.5」の販売を開始すると12月14日に発表した。VMware ESX Server 2.5はサーバの内部を仮想的に複数のサーバに分割し、仮想サーバごとにOSやアプリケーションを稼働させられるソフトウェア。サーバを効率的に利用できるようになる。
デルは2005年第1四半期にブロケードのファイバチャネル・スイッチを組み込んだブレード製品を出荷することを明らかにした。ブレードサーバのシャーシ内部やシャーシ間でクラスタを構築できるようにする計画もあり、製品の拡充を急ぐ。
(編集局 垣内郁栄)
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