モデリングも、性能解析もできるJavaの開発環境、サン
2005/1/20
サン・マイクロシステムズ プロダクトマーケティング本部 纐纈昌嗣氏 |
サン・マイクロシステムズは1月19日、「NetBeans IDE 4.0」ベースのJavaアプリケーション統合開発環境「Sun Java Studio Enterprise 7」(JSE7)をリリースすると発表した。「統合開発環境」と同社がうたう通り、JSE7に新たに組み込まれた機能には、UMLモデリングツールや負荷生成/プロファイリングツール、コラボレーションツールなど、従来のようなJavaプログラムの実装段階だけで完結する開発環境の枠を越え、開発プロジェクトの各段階(上流から下流まで)を配慮した構成になっている。
NetBeans IDEと競合する立場にあるIDEにEclipseがある。モジュールで全体を構築するというIDEとしての共通の設計思想を持つ両者だが、「IBMの巨額のプロモーション費用」(サン・マイクロシステムズ プロダクトマーケティング本部 纐纈昌嗣氏)によって、Javaの開発環境でイニシアティブを握っているのはEclipseである。ただし、「EJBをサポートするような大規模開発(エンタープライズシステムの開発)でEclipseが使用されているわけではない」と纐纈氏がいうように、Eclipseの活用現場は多くの場合、比較的小規模な開発案件であるのが現状だ。NetBeans IDEを基盤としたJSE7の強みは、エンタープライズレベルの開発案件に適用できるという点にあり、その点こそEclipseとの差別化点であるとサン・マイクロシステムズでは考えているようだ。
JSE7に搭載された新機能で特筆すべきは、前述したように多彩なツール群だろう。例えば、UMLモデリングツールは米Embarcadero Technologiesの「Describe」である。UMLモデリングに関する基本的な機能はほぼそろっている。リバース-フォワードエンジニアリングはもちろん可能で、ソースコードとモデルはリアルタイムに同期する。デザインパターンにも対応している。また、JSR 168 Portletの開発もサポートしている。複数Webアプリケーションのシングル・サインオン実装機能もほかのJavaIDEにはない特徴である。実際、J2EE環境の開発に収まらない可能性を感じさせる機能の多彩さだった。同社 シニア・ソリューションアーキテクト 藤井彰人氏が自身のブログ「Japan Akihito Fujii's Weblog」で書いているように、「最近Sunのリリースするツールは、気合も入っていて、かなり良くなってきている」(藤井氏)のは確かに事実である。
(@IT 谷古宇浩司)
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サン・マイクロシステムズの発表資料
NetBeans.jp
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