パッシブCRMからアクティブCRMへスイッチ、オニックス

2005/2/11

米オニックス・ソフトウェアの最高経営責任者 ジャニス・P・アンダーソン氏

 米オニックス・ソフトウェアの最高経営責任者 ジャニス・P・アンダーソン(Janice P.Anderson)氏が来日した。顧客管理・分析システムにおける最近の動向として、アンダーソン氏は「“アクティブCRM”への注目が増している」と指摘する。顧客情報を収集し、ビジネスモデルにそれらのデータをマッピングしながら、現状の把握(と近未来のニーズ予測など)を行うデータ中心のアプローチを“パッシブCRM”とすると、“アクティブCRM”は、顧客情報を企業のビジネス戦略策定のための重要な要素ととらえ、それらを戦略的に活用できる実際の仕組みのことを指す。

 “アクティブCRM”の理念自体は目新しいものではない。顧客情報管理システムがカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(=CRM)へと衣替えをしながら登場した2000年前後から、顧客情報をいかに分析し、ビジネスの種を取り出すか、ということが顧客情報管理製品を扱う企業、あるいはサービスを展開する企業にとっては目指すべき目標だった。ゆえに、理念そのものに新鮮さはないが、このような理念を具体的に実現する仕組みがどこまでできるのかということが顧客にとっての関心の的だった。理想と現実のギャップは徐々に埋まりつつあるようだ。

 オニックス・ソフトウェアのCRM製品はXMLを基盤とし、100%Webベースであることを米シーベルや独SAPといった競合企業との差別化点に掲げている。さらに、CRMシステムはカスタマイズを必要とする製品であることから、基本機能に加えて、コンポーネントやテンプレートをあとから付加できるアーキテクチャを採用している点も特徴だといえる。このような特徴のもと、顧客管理関連製品を核として、顧客情報分析関連製品、プロセス管理製品を擁して、“アクティブCRM”を標榜することになる。

 最大の競合は「(シーベルのような)CRMベンダの製品ではなく、かつて構築された独自の顧客管理システムである」とアンダーソン氏はいう。自動化されたCRMシステム、端末にモバイル機器を活用するような先端技術を利用したCRMシステムの構築需要は「最近になってようやく広がりつつある」とアンダーソン氏はいうが、いまだに既存の顧客管理システムを維持する企業も少なくないようだ。

(@IT 谷古宇浩司)

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