スピードだけじゃない、BEAの新しいJavaVM

2005/3/10

 米BEAシステムズは3月9日、同社が提供するJavaVMの「JRockit JVM」について、よりメモリリークを発見しやすく、複数のJavaVMが協調して動作できるような機能を備えるとする今後のロードマップを明らかにした。JRockitは、IAサーバに最適化された高速なJavaVMとしてインテルとBEAによって開発された。今後はAMD64やEMT64Tなどの64ビット対応や、SPARC、PowerPCプロセッサに対応する計画もある。

JRockitの新機能を解説する米BEAシステムズのボブ・グリスウォルド氏

 BEAシステムズのJava Runtimeプロダクトグループ ゼネラルマネージャのボブ・グリスウォルド(Bob Griswold)氏は、「JRockitは性能だけではなく、(JavaVMの動作の)可視化と高い管理性も提供していく」と優位性を語った。

 4月にリリースが予定されているJRockitの新バージョンでは、プログラムの動作不良の原因となるメモリリークを発見するツール「メモリリーク・デテクタ」を改良。また、実行環境にほとんど影響を与えないプロファイラも搭載される。「メモリリークは徐々に発生するため、プログラマがそれを検出するのにはとても時間がかかった。新しいツールでは、短時間でリークが特定できる」(グリスウォルド氏)。

 2005年第4四半期にリリースが予定されているバージョンでは、ガベージコレクションによるアプリケーションの一時的な停止を、決められた時間内に収めることを保証する「Deterministic Garbage Collector」(決定的ガベージコレクタ)を搭載する。実行中のアプリケーションの動作速度を犠牲にしてでも、ガベージコレクションの時間を短縮する手法を採る。この機能は、テレコム業界などノンストップな運用が求められる業界のニーズに対応したもの。

 2006年のリリースでは、1つのOS上で稼働する複数のJava VMのリソースを、必要に応じて適切に配分する「Resource Manager」機能を組み込む予定。「現在、1つのJavaVM上にWebLogic Serverを稼働させ、そのうえで複数のアプリケーションが稼働している。これで問題になるのは、何かのアプリケーションに障害があったとき、その部分のJavaVMだけをリスタートさせたりできないこと」(グリスウォルド氏)だ。新機能が実現されれば、アプリケーションごとに別々のJavaVMを稼働させ、重要なJavaVMには優先的にメモリとCPUを割り当てたり、問題が発生したアプリケーションのJavaVMだけをリスタートさせるなど、柔軟な運用が可能になる。

 また、BEAシステムズはEclipseファウンデーションのボードメンバーになったことを明らかにした。今後、Eclipseにも積極的に投資を行っていく。まず、同社開発ツールのWebLogic Workshopと同等の機能を持つEclipseのプラグインを無償で提供する予定だという。

(@IT 新野淳一)

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日本BEAシステムズ

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