9月に3大ブランド体制へ移行、アイティメディアのメディア戦略
2005/3/15
アイティメディア 代表取締役会長の藤村厚夫氏 |
アイティメディアは3月14日、9月を目処にメディア再編を行うと発表した。旧ソフトバンク・アイティメディアと旧アットマーク・アイティが展開してきたメディア群を、ターゲットユーザーの違いによって3つのブランドにまとめ直す。
両社が正式合併を行った2005年3月1日の時点では、“ITを軸に「次世代マネジメント(エンタープライズ)」「ITプロフェッショナル」「高感度コンシューマ」の3ターゲットを、主要な事業分野とするべく、メディアの再編・コンテンツの拡充・営業手法の強化を継続的に実施”していくと説明していた。今回の発表はその若干の具体案である。なお、営業展開の具体策についてはほとんど触れられなかったが、同社 代表取締役社長の大槻利樹氏によると、広告ビジネスがこれまで同様、収益の柱となる模様。2005年度の売上目標は18億円、目標経常利益は2億円である。
9月の再編後のメディアのブランドは「ITmedia オルタナティブ」「ITmedia+D」「@IT」の3つに集約する。前2者は仮称で、旧ソフトバンク・アイティメディアのエンタープライズ向けメディアとコンシューマ向けメディアを基盤としながら、新しくパッケージすることになる。「@IT」は従来の形態をそのまま継承する。
「ITmedia オルタナティブ」は、ITmedia エンタープライズを基礎とし、記事作成のための視点をよりエンドユーザー寄りに据える。タグラインとして設定されているのは“次世代のIT変革へ果敢に挑戦するITプロフェッショナルのためのオルタナティブ・ソリューション・サイト”。海外ニュースやコラム、事例記事、検証記事などエンタープライズITシステムに関するニュース記事の編集に加え、システム選定のシミュレーションが行える記事企画も展開していく。リニューアル日は9月15日。月間1000万PV、月間110万のユニークユーザーを年度内の目標値に設定している。
「ITmedia+D」のタグラインは“デジタルノマドのためのライフスタイル ナビゲーター”。旧ソフトバンク・アイティメディアのMobileやPCUPdate、Lifestyle、Gamesといったコンシューマ向けチャンネルをパッケージし直す。同社では「ITmedia+D」が狙う層を「デジタル遊牧民(デジタルノマド)」と命名している。社会学者エベレット・M・ロジャーズが命名したアーリーアダプターと同意である。開設日は9月1日。月間1億PV、月間800万強のユニークユーザー獲得という目標である。
「@IT」のタグラインは“ITエキスパートのための問題解決サイト”。従来から行ってきたITエンジニア向けの技術情報提供サービスを今後も継続していく。組み込み分野への参入や分析・設計に注力した上級エンジニア向けのコンテンツを強化するなど、成長戦略は維持する。月間1650万PV、月間240万のユニークユーザーを目標とする。
9月以降に形が整う3大メディアブランドの展開に加え、いくつかの新規サービス事業の立ち上げを検討している。1つは最新商品を比較し、直接購入できるような電子商取引の仕組みの模索が挙げられる。「ITmedia オルタナティブ」や「@IT」で得られる情報をもとに自身のスキルを磨いた読者がそのスキルを生かせる仕組みの構築も検討している。同社 代表取締役会長の藤村厚夫氏によれば、これらの仕組みを構築、整備することで、アイティメディアの読者は、情報入手から商品選択、購入、スキルアップなどITに関わる包括的なサービスを受けることが可能になるという。また、米TechTargetと事業提携を行い、同社が行っているサービスの日本国内での展開も計画している。
(@IT 谷古宇浩司)
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