「Itaniumは確実に来る」、国内出荷3倍でインテルが自信

2005/3/16

 インテルの取締役 エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 本部長 町田栄作氏は3月15日、エンタープライズ向け戦略について「今年はエンタープライズの世界でプラットフォームをフルモデルチェンジする年」と述べ、64ビット・プロセッサのItaniumを中心にプロセッサの並列化を進める考えを示した。

インテルの取締役 エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 本部長 町田栄作氏(右)と同本部 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング統括部長 平野浩介氏

 インテルは米国で3月1〜3日に開催された「Intel Developer Forum Spring 2005」でプロセッサの今後ロードマップなどをすでに発表している(@IT記事参照)。町田氏はIDFでの発表を説明し、今後は「32ビットの資産が64ビットに動いていく」と述べた。「2004年はデジタル・コンテンツの作成、ビジネス・インテリジェンスなど限られた分野でプロセッサの64ビット化が進んだ。今年はデータベースやWebサービスなどの分野でも64ビット・プロセッサのアドレサビリティが必要となる」。

 町田氏はまた、Itaniumの実績について、2004年第1四半期の世界市場でのItaniumの出荷が、前年同期と比較して約2.5倍になったことや、日本でも2003年から2004年にかけてItaniumの出荷が約3倍になったことを説明し、「Itaniumは確実に来ている」と強調した。

 インテルのエンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング統括部長 平野浩介氏はItaniumについて「Itaniumは死んだのかと聞かれることもあるが、そうではない。インテルの中ではクリアだ」と述べた。インテルは昨年、32/64ビット互換のプロセッサ「AMD Opteron」の発表を受けて、64ビットに互換性を持つ32ビット・プロセッサのアーキテクチャ「インテル EM64T」を発表した。32ビットと64ビットに対応するEM64Tの登場で、「32ビット・プロセッサの後継はItanium」というメッセージに混乱が生じていた。

 平野氏は「今後は分かりやすい形でItaniumが位置付けられる」と説明。ItaniumをRISCプロセッサやメインフレームのマイグレーション先とする一方、EM64TはIA-32の後継で、「優れた価格性能比。膨大な種類の32ビット・アプリケーションに対応しつつ、64ビット・アプリケーションへのヘッドルームも提供する」と説明した。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
インテル

[関連記事]
インテルが進める15のマルチコア化プロジェクト (@ITNews)
CPU開発からプラットフォーム指向へ、インテル (@ITNews)
インテルがデュアルコアPCを初公開、その性能は? (@ITNews)
スピードから機能へ、インテルのプロセッサ戦略が変化 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)