次世代電子商取引をパッケージ化、ウルシステムズ
2005/4/6
ウルシステムズ 代表取締役社長 漆原茂氏 |
ウルシステムズは4月5日、次世代のXML-EDIシステム「UMLaut/J-XML」を製品化したと発表した。同システムは、経済産業省が策定した流通業分野における次世代電子商取引標準に準拠し、インターネット経由のXML-EDIを可能とするもの。受発注から物流、決済までの複雑な業務フローを網羅し、取引企業間でのリアルタイムな情報共有や、ICタグなどの新技術を活用したトレーサビリティの実現を支援する。
現在の流通業界における標準的なEDIプロトコルは「JCA手順」だが、固定長のデータ制限や専用線の使用を前提とする点を持つなど、時代遅れの要素が目立ちはじめ、インターネットの普及とともに規格の見直しが迫られていた。JCA手順の後継規格として登場したJEDICOSは、メタデータの規約を策定することで、データレイアウトの変更を可能とする特徴を備えていた。JEDICOSをさらに発展させ(通信プロトコルとしてebXMLを採用するなど)、企業間データの相互接続性を格段に向上させた規格として、経済産業省が標準化の働きかけをしているのが、JEDICOS-XML(J-XML)である。
「UMLaut/J-XML」はJ-XMLに準拠しながら、受発注、物流、決済に至るまで、一貫した企業間業務フローをサポートする。これらの業務フローは日本の商習慣に合致しており、受発注から物流、決済までの一連の情報をXMLフォーマットを用いて、企業間で交換・共有することが可能となる。これらの業務フローは、あらかじめ定義され、複数種類に分類されている。ユーザーは受発注や物流、決済の単位ごとに取引先との業務フローを選択し、それらをつなぎ合わせることで、企業固有の業務フローを構築することができる。企業間業務フローの定義は、取引先や取り扱い商品ごとに構成ファイル内で管理され、業務フローが変わった場合でも、構成ファイルの設定変更で対応できるのが特徴である。
「UMLaut/J-XML」は「UMLaut/J-XMLサーバ」と「業務アダプタ開発ツール」で構成されている。なお、「UMLaut/J-XML」サーバは、業務アダプタ開発ツールで開発する業務アダプタと既存の業務システム群(発注、物流、会計システムなど)を介して接続することで、電子商取引システムの基盤となる。
エス・エフ・アイやNTTコムウェア、SAPジャパン、沖電気工業など10数社のパートナー企業と開発、販売をしていく。
(@IT 谷古宇浩司)
[関連リンク]
ウルシステムズの発表資料
UMLaut/J-XMLの解説
「UMLaut/J-XML」 概説
経済産業省
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