決算好調なF5、支えるのはトラフィック管理製品
2005/4/22
F5ネットワークスは4月21日、米本社の2005年第2四半期の売上高が前年同期比67%増の6770万ドルになったと発表した。同社は負荷分散製品、SSL-VPN製品、アプリケーショントラフィック管理製品を柱としている。創業時からの負荷分散製品は依然として好調だが、特にアプリケーショントラフィック管理製品とSSL VPN製品が増収に貢献した。
米F5ネットワークス セキュリティ・ビジネス・ユニット上級副社長のジェフ・パンコティン氏 |
同社セキュリティ・ビジネス・ユニット上級副社長のジェフ・パンコティン(Jeff Pancottine)氏は、増収の理由を「企業の『セキュアアプリケーション・トラフィック・マネジメント』へのニーズが高まり、セキュリティを保ちつつWebトラフィックのパフォーマンスを維持できるF5の製品が受け入れられたため」と述べた。
パンコティン氏によると、F5が売り上げを伸ばしている理由は、ユーザー企業のセキュリティに対するニーズにこたえているからだという。パンコンティン氏は売り上げの半分をWeb経由であげている航空業界の企業のケースを説明した。このユーザー企業は、業界団体が定めたWebアプリケーションの危険度基準に照らし合わせて自社システムの脆弱性をチェック、10項目のうち8項目で危険を発見したという。Webアプリケーションを修正して脆弱性をなくすには数千万円の予算が必要になる計算だったが、F5のトラフィック管理製品「TrafficShield」を導入することで、Webアプリケーションの安全性を高めることができたという。
「ファイアウォールで保護できないWebアプリケーションには数多くの脆弱性が存在する。レイヤ4〜7のような上位レイヤを通過するWebアプリケーションの可用性を重視する企業が増えている」とパンコンティン氏は指摘した。TrafficShieldは、Webアプリケーションに対するセキュリティポリシーに基づき、Webアプリケーションのセキュリティを保つ。基幹システムに流れる上位レイヤのトラフィックを「フルプロクシアーキテクチャ」により処理する仕組みだという。
パンコティン氏は競合となるネットワーク機器の製品について、「競合他社は技術革新によりレイヤ3〜4のトラフィックセキュリティマネジメントを実現できるようにしてきているが、レイヤ5〜7の上位層のパフォーマンス制御とセキュリティ制御は、今後の課題だろう」と述べ、F5の優位性は今後も続くとした。
F5は2005年第3四半期は7000万ドルから7200万ドルの売上高を見込んでいる。
(@IT 富嶋典子)
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