オリンパスの100億円のプロジェクト内容とは?

2005/5/27

 オリンパスは、内視鏡や顕微鏡などの医療・産業向け分野での顧客サービスを強化するために、従来は独自開発だったCRM構築にパッケージソフトを採用。「営業・修理サービスCRM」を完成させた。採用したパッケージソフトのベンダであるSAPジャパンと共同で発表を行った。

「個々の機能強化よりも、顧客視点での事業価値を優先した」オリンパスBPIプロジェクトリーダー兼情報システム本部長 高木幹夫氏

 オリンパスは、約100億円の情報投資による「BPIプロジェクト」(BPI:Business Process Innovation)に取り組んでいる。すでに会計システム、人事システムの稼働を開始しており、2005年5月6日に今回の医療・産業向けCRMを稼働させた。BPIプロジェクトは2006年の販売物流システムやマスター統合まで続く予定。

 同社BPIプロジェクトリーダー兼情報システム本部長 高木幹夫氏は、今回のCRM構築では「オリンパスは変わったね、といわれるような顧客価値に直結するサービス」を目標としたと語った。そのために「顧客価値に直結する部分は作り込んだが、顧客価値に直結しない部分は極力開発せず、SAPの標準機能に合わせて業務を標準化していった」とした。また、「変化対応力のあるシステム基盤を構築するため、アドオンは極小化した」という。

 開発もSIベンダに安易に頼らなかったという。「事業のことを精通していないと、顧客価値を上げられるシステムが実現できないと考えた」(高木氏)

 SAPジャパンでバイスプレジデントを努める三村真宗氏は今回のシステムについて、「結果ではなく経過をマネジメントする視点で構築されており、先進的だ。また、9個のアドオンプログラムというのは他社と比べても異例に少ない」と、同社のアプローチの徹底ぶりを高く評価した。

 オリンパスは新システムで「関係部署で瞬時に情報共有ができるようになり、情報が活用できるようになった。」とし、今後は修理期間の短縮のための情報分析などで実績をあげていきたいという。

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オリンパスの発表資料

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CRM ( 情報マネジメント用語辞典)

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