デスクトップPCでもデュアルコアをサポート、インテル

2005/5/28

インテル代表取締役共同社長 吉田和正氏

 インテルは5月27日、2つのプロセッサ実行コアを実装したデュアルコア製品「インテル Pentium D プロセッサ」および同プロセッサに対応したチップセット製品「インテル 945 Express チップセット」を発表した。同社は、これらの製品に、通信用シリコンやソフトウェア技術などを統合し、“プラットフォーム”としてデジタル・ホーム/デジタル・オフィス市場向けに提案していく。

 同社では、「ムーアの法則」(半導体の集積密度は18〜24カ月で倍増する)を、半導体の集積密度からプラットフォームの性能に新たに解釈し直しながら、半導体技術の向上をアピールしていく方針を打ち出している。インテル代表取締役共同社長 吉田和正氏はこれを「シリコンレベルからプラットフォームレベルでの性能強化」と表現する。

 現在、同社には15のデュアルコア・マルチコアプロセッサの製品開発プロジェクトが同時並行的に走っている。今回発表した「インテル Pentium D プロセッサ」は同社としては2番目のデュアルコア・プロセッサである。同製品以降、同社のプロセッサは2つ以上のプロセッサ実行コアを実装する製品が主流となる。

 デュアル以上のコアを実装するというプロセッサ市場のトレンドは、1つには家庭におけるデスクトップPCの使い方の変化が影響している。デモンストレーションでは、4人家族全員がすべて別々の使い方(映画をみる、音楽を聴くなど)をする場合に、パフォーマンスを落とさずサービスが継続できる模様を実演した。「インテル Pentium D プロセッサ」は2つの実行コアに2つの1MB L2キャッシュを搭載し、さまざまなタスクの高速な同時実行を技術的に可能とする。

 同社 IA技術本部 本部長 阿部剛士氏は、従来のように命令セットレベルで性能を上げていくアプローチをフォーミュラカーのエンジン開発にたとえる。「この場合、道路はまっすぐで、しかも舗装されていた」。つまり、目的はいかに速く走ることかに集約されていた。しかし、スレッドレベルで性能向上が求めらるマルチコア時代の半導体技術は、「坂道あり、でこぼこありの道をたくさんの荷物を搭載して運転しなければいけない自動車の開発」であるとする。

(@IT 谷古宇浩司)

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インテルの発表資料

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