インテルがメモリとプロセッサを1つに、携帯端末向け
2002/10/16
インテルはフラッシュメモリとプロセッサを1つにパッケージしたPDA、携帯電話向けのチップ「インテル PXA261プロセッサ」と「インテル PXA262プロセッサ」を発表した。チップを積み上げて、メモリ容量を1Gbitsまで増やすことが可能。高性能と省スペースを実現する。
インテルの取締役兼通信事業本部長 高橋恒雄氏は新製品について「携帯電話だけでなくさまざまなワイヤレスデバイスに幅広く応用される製品だ」と紹介 |
PDAや携帯電話はカラー液晶の搭載が常識となり、Javaなどに対応するアプリケーションやサービスも増えている。一方で、携帯本体のスペースは限られるため、チップを小さくする必要があった。インテルの取締役兼通信事業本部長 高橋恒雄氏は「スペースがない携帯端末にシリコンを搭載するため、シリコン上にシリコンを積層する製品がデバイスベンダから求められている」と述べた。カメラを搭載して画像や動画を扱う端末も増えて、内蔵メモリも大容量が必要とされている。
PXA261とPXA262は0.13μmプロセスで製造されたフラッシュメモリを搭載している。従来の0.18μmプロセスで製造された製品に比べて、4分の1のサイズにしたという。128Mbits、256Mbitsの製品を用意。256Mbitsのフラッシュメモリを4つ積載することで、最大で1Ggitsまで拡張して使うことができる。1.8ボルトで動作し、消費電力は他社の製品と比較して約40%低減されているという。
フラッシュメモリと積み重ねて使うプロセッサは、インテルXScaleテクノロジーを基に開発した製品。低電力モードがあり、電子制御を効率化している。MMCやSD、CFカードなどに対応し、外部メモリや無線LAN、カメラの搭載が可能。携帯端末に対して、USBポートやBluetoothの機能をつけることも可能で、サービスの幅を広げることができる。
0.13μmプロセスで製造されたフラッシュメモリのウェハ |
PXA261は200MHzで動作し、128Mbitsのフラッシュメモリに対応する。PXA262は200MHzまたは、300MHzで動作し、256Mbitsのフラッシュメモリに対応。インテルはすでにサンプル出荷を始めていて、来年の第1四半期に量産出荷の予定だ。
インテルでは携帯端末用チップの省スペース化をさらに推進する考えだ。米インテルの技術・製造本部 副社長兼カリフォルニア技術・製造部門ディレクタのステファン・ライ(Stefan K. Lai)氏は、「0.13μmプロセスに基づいたフラッシュメモリとプロセッサを、1つのチップに搭載したシステムオンチップの製品として試作中」であることを明らかにした。
インテルでは携帯端末にさまざまなデバイスを接続できるようにすることも重要と考えていて、高橋氏は「携帯電話にUSBポートとBluetoothの機能をつけることは必須」と述べた。携帯電話市場で日本は世界をリードしているといわれている。インテルは日本の携帯電話ベンダを納得させる製品を作ることで、世界市場での影響力を向上させることを狙っている。
(垣内郁栄)
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