アジア・ネットコムがブラザー工業に選ばれた理由とは?

2005/6/3

 アジア・ネットコムは6月2日、ファクスやプリンタ、デジタル複合機などの情報通信機器を主力事業とするブラザー工業に、同社のアジア拠点をつなぐためのネットワークサービスを納入したと発表した。

アジア・ネットコム 社長兼COO ウィリアム・バーニー氏
 ブラザー工業は、アジア地域での事業拡大とオンライン業務の拡大に伴い、中国、台湾、シンガポール、マレーシアなど6カ国にある12の拠点と日本をつなぐWANの再構築を実施した。再構築にともない、アジア・ネットコムのMPLSベースのIP-VPNサービス、日本と中国の各拠点をつなぐ45Mbpsの専用線サービス、日本語や英語、中国語など5カ国語に対応したネットワークオペレーションセンターによる24時間365日のマネージドサービスなどを導入した。

 アジア・ネットコムは中国2大キャリアの1つのチャイナ・ネットコムを親会社に持つ。親会社との連携により、中国国内のネットワーク構築の作業を円滑にすることができたという。ブラザー工業に選ばれた理由を、アジア・ネットコム 社長兼COOのウィリアム・バーニー(William Barney)氏は「競合にはグローバル展開をする通信事業者3社と、日本の通信事業者が2社いた。しかし、価格の安さと親会社の影響から、ブラザー工業が持つ中国の複数の生産拠点でのネットワーク構築をスムーズに行える点をプッシュすることで勝利することができた」と語った。

 バーニー氏は、アジア・ネットコムの保有するIPネットワークについて、「企業の音声データやマルチメディアデータの処理がスムーズにできるMPLSベースのレイヤ2VPNサービスを東京、シドニー、台北、ソウル、香港、マニラ、クアラルンプール、シンガポール、サンノゼ、ニュージャージー、ロンドンの計11カ所で提供ができる体制を整えた。本年度は、タイ、インド、欧米にも新たなPOPを設置し、積極的なネットワークの拡張を行っていく」と語り、ブラザー工業以外のグローバル企業にも導入していく姿勢を見せた。

(@IT 富嶋典子)

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