「お引っ越し型の限界」を超えるレガシーマイグレーション
2005/6/15
日本アタッチメイトは6月13日、メインフレームのデータベースをUNIXなどオープンシステムのデータベースに移行することを支援する新製品「Attachmate ACA」を発売した。
米アタッチメイトのインターナショナル・オペレーションズ&グローバル・パートナーシップズ担当バイスプレジデント デビット・ベネット氏 |
米アタッチメイトのインターナショナル・オペレーションズ&グローバル・パートナーシップズ担当バイスプレジデント デビット・ベネット(David Bennett)氏は、「プラットフォームを1度に変更するお引っ越し型のレガシーマイグレーションは限界を迎えている」と指摘したうえで、「Attachmate ACAでは段階的にマイグレーションを実施するソフトランディング型の手法が可能になる」と述べた。
Attachmate ACAはメインフレームやオープンシステムのデータベースからアクセスできるミドルウェア。この機能を利用してレガシーのデータベースとオープンシステムのデータベースを仮想的に統合して、JDBC/ODBCなどオープンシステムのインターフェイスでアクセスできる。データベースの仮想的な統合で段階的にデータやビジネスロジックをレガシーからオープンに移行できるという。「リアルタイムのアクセスを維持して、移せるところからデータを移す。3〜4年で最終的に移行する」。
Attachmate ACAを使ったレガシーマイグレーションの方法は2つある。1つはレガシーシステム活用型。移行リスクが高いデータやアプリケーションをレガシーに残して、容易なところからオープンに移行する。レガシーとオープンのデータベースを仮想的に統合し、リアルタイムでそれぞれのデータベースを反映させることができるようにする。
もう1つの方法はレガシーシステムリプレース型。レガシー上のデータベースのクローンをオープンシステムのデータベース上に作成し、クローンのデータを使いながらオープン上でシステムを移行させることができる。クローンのデータを使うため、データ移行やシステム開発のリスクを減らすことができるのが特徴。Attachmate ACAはETLエンジンを搭載し、レガシーとオープンのデータのやりとりのルールを設定したり、データのクレンジングが可能だという。
価格はAS/400からSQL Serverに移行する場合で1000万円。対応するレガシーOSはIBMのOS/390やOS/400などで、国内で広く普及している富士通やNEC、日立製作所のメインフレーム、オフコンは未対応。ベネット氏は「将来の対応を予定している」とした。
(@IT 垣内郁栄)
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