「アプリケーション・スペシャリスト」がBEAの新ターゲット
2005/6/22
OSが提供するAPIがアプリケーション開発のプラットフォームだったのは1990年代。いまはミドルウェアが提供するJ2EEなどのレイヤの上で、企業向けのWebアプリケーションを開発するのが主流だ。そして、BEAシステムズが発表した最新の戦略では、その上にさらにもう1つレイヤをかぶせる。
米BEAシステムズのプロダクトマーケティング担当 ビル・ロス氏 |
新しいレイヤを同社は「サービス・インフラストラクチャ」と呼ぶ。このレイヤは、企業内に存在する各種アプリケーション、例えば在庫管理システム、顧客管理システム、受注システム、ポータルを統合し、新しいアプリケーションを構築するためのレイヤだ。米BEAシステムズのプロダクトマーケティング担当 ビル・ロス(Bill Roth)氏は、この新レイヤは「コンポジット・アプリケーションを容易に開発できるようにするため」と強調した。
多くの企業は、新しい商品やサービスに合わせて、既存の企業内アプリケーションをカスタマイズし、組み合わせて対応する。こうしたコンポジット・アプリケーションをいかに柔軟に実現できるかが、新商品やサービスの投入を左右する。
コンポジット・アプリケーションの基盤技術となるのがSOAだ。BEAシステムズは新戦略に沿って投入する新製品「BEA AquaLogic製品ファミリー」には、すべてSOA対応とした。最初に投入されるのは、エンタープライズ・サービスバス(ESB)とWebサービス管理機能を統合した「BEA AquaLogic Service Bus」、UDDIv3対応のレジストリ「BEA AquaLogic Service Registr」、データソースを統合する「BEA AquaLogic Data Services Platform」(旧Liquid Data for WebLogic)、そしてセキュリティポリシーを集中管理する「BEA AquaLogic Enterprise Security」の4製品だ。
ロス氏は、新製品群のターゲットを「アプリケーション・スペシャリスト」だとした。彼らはビジネスとアプリケーションについて詳しい知識を持つが、プログラマではない。そうした人たちが、設定ファイルや操作だけでコンポジット・アプリケーションを実現する環境を提供する。「それがBEAの目指すところだ」(ロス氏)。ただし、現時点ではそのためのラインアップはそろっておらず、おそらくこの先数年かけて残りの製品が提供されることになる。
(@IT 新野淳一)
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