消費電力あたりの処理性能に自信、サンのNiagaraプロセッサ
2005/7/27
2006年初頭に登場予定の第2世代CMTプロセッサ「Niagara」(コードネーム)について、サン・マイクロシステムズは“新世代のエコ・プロセッサ”という新たな特徴をアピールし始めた。
サン・マイクロシステムズ マーケティング統括本部 ストラテジスト 野瀬昭良氏 |
ポイントは低消費電力。従来、CMTのメリットとして同社が強調してきたのは、複数スレッドによるスループットの向上という点だったが、Niagara搭載サーバがターゲットとする領域は細かい処理を連続して行うWebアプリケーションであり、多くの場合、複数のブレードサーバを高密度で集積するデータセンターがその実動環境となると想定されている。それゆえに、プロセッサ単体の処理性能の高さをアピールすることも重要だが、消費電力やCPU密度、床面積当たりの処理性能といった、運用面のコストを睨(にら)んだ優位性も前面に押し出す必要があったようだ。
事例として、6000のXeonプロセッサと960のNiagaraプロセッサで構築された大規模なeコマースサイトを比較したデータを提示した。それによると、「消費電力当たりの性能は約10倍。3年間で660万ドルの運用費用が削減でき、なおかつサーバの数は3分の1に削減できる」(サン・マイクロシステムズ マーケティング統括本部 ストラテジスト 野瀬昭良氏)とする。
これらのデータは、「巨大キャッシュや超高周波数、深いパイプラインなど、従来型のプロセッサ設計の思想の下では実現できない」と、同社 営業統括本部 OEM営業本部 主幹部長 栗原伸浩氏はいう。単純なステップの繰り返しを複数のスレッドで行うデザインに変更することで、性能向上、低消費電力といった利点を生み出すことができた。プロセッサにこのような動作を要求するWebアプリケーション環境の普及も同社のこのようなプロセッサ設計思想の推進を後押しした。
(@IT 谷古宇浩司)
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