テキストマイニング技術で特許分析、NRIなど

2005/8/11

 野村総合研究所(NRI)とNRIサイバーパテントは8月10日、テキストマイニング技術を活用した特許分析のためのソフトウェア「TRUE TELLERパテントポートフォリオ」を発表した。テキストマイニング技術を適用し、(特許)公報の記載内容にまで踏み込んだ分析を短時間で行う。

 特許分析という作業は、特許の専門家あるいは技術の専門家が、1件1件の明細書を丁寧に読み込むことで、必要な情報を抽出・分析するという人海戦術的なアプローチを中心に行われてきた。一方、出願人や出願日、特許分類などの書誌事項の検索については、専用のソフトウェアを使って行えるが、その場合、記載内容の分析にまで踏み込むことができないのが問題だった。書誌事項の羅列だけでは、知財の専門家以外には分析結果を共有できないというジレンマもあった。

 NRIおよびNRIサイバーパテントは、特許ポートフォリオ分析力の重要性を訴える。企業においては、自社および同業他社が保有する知的財産権について、強み・弱みをいかに客観的に分析・評価できるかが重要だとする。

 「TRUE TELLERパテントポートフォリオ」の“サーモグラフ分析”は、公報に頻出する技術用語を自動的にマッピングし、その上に出願人(企業名)別あるいは時系列別に文献の密度を、色の濃淡で表現できる機能である。自社および同業他社の注力分野や強み・弱みを可視化したり、クロスライセンスおよびM&Aにおける技術的な補完関係をシミュレーションしたりすることも可能である。

 “課題・解決手段の傾向分析”では、公報に記載されている「課題」や「解決手段」の内容を、頻繁に使われる技術用語や、主語ー術語、修飾語ー被修飾語といった「係り受け」によって分類、それぞれの件数集計や出願人とのクロス集計、時系列分析が可能となる。

 そのほか、NRIサイバーパテントが提供するインターネット特許情報サービス「NRIサイバーパテントデスク」のユーザーは、詳細に知りたい個別特許について、「TRUE TELLERパテントポートフォリオ」の各画面から同サービスのハイパーリンクにより、図表付きの公報をインターネット経由で参照することができる。初年度約30社の導入を見込んでいる。

 NRIグループでは、テキストマイニング分析システム「TRUE TELLER」のグループ企業間での連携活用を促進している。NRIとNRIサイバーパテントの取り組みは、NRIグループにおける連携強化施策の第1弾という位置付けである。

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野村総合研究所の発表資料

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