オープンソースミドル“LAMP”に本腰、NRIが導入支援を強化

2005/8/30

 野村総合研究所は8月26日、ApacheやJBoss、MySQLなどオープンソースソフトウェア(OSS)を組み合わせて高信頼なシステムを構築するための、推奨アーキテクチャやパラメータ設計、構築/テスト手順書などを体系化したオープンソース・サーバ基盤「OpenStandia」(オープンスタンディア)を開発したと発表した。OpenStandiaの導入支援サービス、保守サポートサービスを9月に開始する。

 企業情報システムではLinuxなどOSSを使った構築事例が相次いでいる。最近はOSだけでなく、データベースなど従来は商用ソフトウェアが多く使われてきたミドルウェア分野でもOSSの進出がみられる。OSSを使ったシステム構築は、OSのLinuxと、アプリケーションサーバのApache、データベースのMySQL、スクリプト言語のPHP、Perl、Pythonなどの頭文字をとって「LAMP」などともいわれる。OpenStandiaでは、PHP、Perl、Pythonは使っていないが、NRIではOSS全般について「商用製品と比較しても遜色(そんしょく)ないレベルに達しており、企業システムを構築するうえで重要なコンポーネントとして認知されてきている」と評価している。

 OpenStandiaはOSSミドルウェアの導入を容易にし、コストをかけずに信頼性を向上させることを狙う。NRIは、OpenStandiaでApache、Struts、Tomcat、JBoss、MySQLなどのOSSミドルウェアを組み合わせたサーバ基盤を提供する。サーバ基盤の機能、性能、信頼性、セキュリティなどはNRIが検証。すでにパラメータなどが設定済みで各種ドキュメントなどもあらかじめ提供されるため、構築作業を大幅に効率化できるという。各OSSのサポートはNRIが提供する。OSSだけでなく、商用データベースなどを組み合わせてシステムを構築することも可能。

 NRIは2003年にStruts、Tomcat、JBossなどOSSのミドルウェアに機能を追加して、さらに信頼性を高めるOSSのフレームワーク「Altostratus」(アルトストレイタス)を開発し、提供してきた(参考記事)。OpenStandiaはAltostratusと組み合わせることが可能で、OSSのパラメータ設計と合わせて、トランザクション制御や流量制御、タイムアウト制御、耐障害性設計、セキュリティ設計、ジャーナル設計、拡張キャッシュ設計などの機能を高めることができるという。

(@IT 垣内郁栄)

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野村総合研究所の発表資料

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