航空機製造の経験が生きる、SSAが製造業向けERP新版

2005/10/12

 日本SSAグローバルは10月11日、製造業向けERPパッケージの新製品「SSA ERP LN 6.1」を12月に出荷すると発表した。航空・防衛、自動車などの組み立て型製造業をターゲットにした製品で、SSAが買収した旧バーンの後継製品。SSAの代表取締役社長 細井洋一氏は「製造業における伝説のBaanが復活する」と強調した。

日本SSAグローバルの代表取締役社長 細井洋一氏

 6.1は前バージョンの「ERP 5.0c」と、ボーイングとボーイングの取引先など特定顧客向けに開発したERPパッケージ「ERP 5.2a」を組み合わせて強化した製品。細井氏はSSAの製品戦略を「デマンド・ドリブン・サプライ・ネットワーク」としたうえで、「顧客の顧客を意識して、製品を開発・提供する」と述べた。

 6.1は300社を超える顧客の声を聞き、主に操作性や使いやすさ、柔軟性を強化した。操作性の向上では、ビジネス・プロセスのステップ数や画面数を減らして迅速に操作できるようにした。ビジネス・プロセスのフローで人間が判断する必要がないステップは、自動で処理できるようにもした。また、6.1内の情報やほかの基幹業務システムの情報を1画面で確認できる「ダッシュボード」を実装した。

 さらにユーザーの判断で標準画面から不要な項目を削除したり、必要な項目を追加できる「パーソナライズ機能」も追加。「これまでは情報システム部しかできなかったが、6.1ではユーザーが画面をパーソナライズ&カスタマイズできるようにした」(SSA)

 ジャスト・イン・タイム生産方式への対応も強化した。外部サプライヤと連携する「内示・納入支持管理」を最適化し、「ラインのプロセスに同期した作業指示/資材供給」を可能にするという。特に個別仕様の一品生産に有効な機能としている。

 SSAは6.1発表をきっかけにパートナーによる間接販売の比率を増やすことも明らかにした。旧SSA、旧バーンは直販がメーンだったが、顧客ニーズへの柔軟な対応や決め細やかなサービス、トータル・ソリューションの提供などを狙って間接販売を増やす。細谷氏は「40〜60%の比率で直接、間接のバランスを取る」と説明した。

 2004年8月に社長に就任した細井氏は「この1年は(米本社の基準に合わせるため)サーベンス・オクスリー法(企業改革法、SOX法)に対応してきた。業務プロセスの見直しと改善を行った」と語り、営業組織の見直しやコンサルタントの業種別の配置も実施したと説明した。

(@IT 垣内郁栄)

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