Linuxサーバのウイルス対策どうする? F-Secureが新製品

2005/10/20

 日本エフ・セキュアは10月18日、アンチウイルスやファイアウォール、不正侵入防止など複数の機能を組み合わせたLinuxサーバ向けの統合セキュリティ製品「F-Secure Linuxサーバセキュリティ」の販売を11月1日に開始すると発表した。出荷は11月15日。F-SecureのCEO リスト・シーラスマ(Risto Siilasmaa)氏は「Linux向け製品は日本で成功している」と説明し、「サポート能力を高めるために今後も投資を続ける」と述べた。

F-SecureのCEO リスト・シーラスマ氏。F-Secureの本社はフィンランドのヘルシンキ

 エフ・セキュアは国内でWindowsサーバ向けやファイルサーバ向けなど複数の企業向けアンチウイルス製品を出荷しているが、特に売り上げが多いのがLinuxサーバ向けの製品。「F-Secureアンチウイルス Linuxゲートウェイ」「F-Secureアンチウイルス Linuxサーバ版」などの製品があり、「Linux向け製品だけでエフ・セキュアの売り上げの60〜70%を占める」(エフ・セキュア 代表取締役 渡邊宏氏)。

 エフ・セキュアのアンチウイルス製品は、本田技研工業などの自動車メーカーや、みずほ銀行、りそな銀行などの大手都銀などが導入。5万ライセンスを利用している東京電力が最大の顧客だという。特許庁や東京都などLinuxの採用が多い官公庁・地方自治体の導入も増えている。国内での総ライセンス販売数は200万で、「2年前から2倍になった」(渡邊氏)という。

 F-Secure Linuxサーバセキュリティは、同社のほかの製品同様に3つのスキャンエンジンを搭載する。ファイル読み書きの際にウイルスをスキャンするリアルタイムスキャン機能も実装。7段階の防御レベルが選べるファイアウォール機能や、ホストベースの不正侵入防止機能も利用でき、ファイルの改ざんなどを防ぐ。エフ・セキュアではLinuxを使ったデータベース・サーバやアプリケーションサーバなどミッションクリティカルな業務、DNSサーバやWebサーバ、FTPサーバなど外部に公開するサーバなどでF-Secure Linuxサーバセキュリティが利用できるとしている。

 また、F-Secure Linuxサーバセキュリティは無償オプションの統合管理ソフトウェア「F-Secureポリシーマネージャ」で管理可能。1000システム以上のサーバに対して一元インストールや設定、監視ができるという。F-Secure Linuxサーバセキュリティの価格は1サーバで8万8000円(初年度、税抜き)。10サーバではサーバ1台当たり7万円、100サーバでは1台サーバ当たり3万5000円。エフ・セキュアでは初年度5000ライセンス、2億円の売り上げを目指す。

(@IT 垣内郁栄)

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日本エフ・セキュアの発表資料

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