LinuxでWinアプリが動く、ターボリナックスの次期デスクトップ

2005/9/22

 ターボリナックスは9月21日、同社の次期デスクトップ製品(コードネームFUJI)のβ版を公開した。正式版は11月に発売予定。前バージョンの「Turbolinux 10 Desktop」からおよそ2年ぶりのバージョンアップである。同社では企業システムのクライアントPC用途を強くアピール、特にアプリケーションレベルでのWindows互換の機能拡張に自信をみせた。

ターボリナックスの次期デスクトップ製品(コードネームFUJI)のβ版(クリックすると拡大)

 Linux上でWindowsアプリケーションを動作させるため、同社はフィリピンのSpecOps社が開発した互換技術「David」を搭載した。Davidは動作させるWindowsアプリケーション共通モジュール(Davidエンジン)とアプリケーションごとに異なるプラグイン型モジュール(Davidイネーブラー)で構成されるWINE(Linux上でWindowsアプリケーションをエミュレーションなしで動作させるためのプロジェクト)ベースのコンポーネント。「FUJI」ではDavidのエンジン部分を標準搭載する予定。同技術を活用することにより、マイクロソフトのOfficeやInternet Explorer、Lotus NotesなどのWindowsアプリケーションを「Linux上で違和感なく使うことができる」(同社)

 そのほか、ファイル・フォルダの暗号化、ウイルス対策ソフトのバンドル、無線LAN認証などセキュリティ機能の強化やデスクトップ検索「Turboサーチ」(仮称)、ネットワーク設定の簡略化を実現した「Turboネットスイッチ」(仮称)の実装、自動プリンタ設定、ブートローダー設定といった細かい機能調整を施し、Linux環境でWindows環境を再現する試みに果敢に挑戦している。

 同社 代表取締役社長兼COOの矢野広一氏は「上場(9月15日に大証ヘラクレス)したことで資金集めがしやすくなり、派手な宣伝活動ができるようになった」とし、積極的な市場展開の可能性をほのめかした。

(@IT 谷古宇浩司)

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ターボリナックスの発表資料

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