デルがトレーニングサービス開始へ、サービス事業を強化

2005/11/1

 デルは企業向けのトレーニングサービスを2006年に本格的に始める。サーバやストレージの導入、構築に関して企業のニーズが高いと判断。ユーザー企業の担当者に対して実践的なトレーニングを提供する。先行してトレーニングサービスを提供している米国のメニューを参考に、導入、構築からミドルウェアやソリューションの利用法まで順次広げる考え。エンタープライズ事業に占めるサービスの比率は現在2〜3割だが、トレーニングサービスの開始で比率の増加を狙う。

米デルの社長兼CEO ケビン・ロリンズ氏

 米デルの社長兼CEO ケビン・ロリンズ(Kevin Rollins)氏は10月31日、都内で会見し、デル日本法人のサービス事業の売り上げが前年比50%のペースで増加し続けていることを明かした。デルはすでにコンサルティングやシステム構築を行う「デル・プロフェッショナル・サービス」(DPS)や、オンサイト保守サービスの監視施設「エンタープライズ コマンド センター」(ECC)、クライアントPCのライフサイクル全般でサービスを提供する「デル・マネージド・サービス」(DMS)などを用意している。10月にはエンタープライズ向けサポートサービスで最上位となる「プラチナ・サービス」を始めるなど、企業向けのサービス事業を拡充している。

 デルの代表取締役社長 浜田宏氏は「エンタープライズ向けサービスの拡張で、デルのハードウェアをより快適に、より早く、より楽に使ってもらう。サービス事業は戦略上、最も重要。人、組織を投入し、投資を続ける」と述べ、デルのハードウェアがミッションクリティカル分野で本格採用されるために「トータルなサービスを提供する」と説明した。

 ロリンズ氏もサービスを今後の成長材料にしたいとの考えを示した。2005年度第2四半期のサービスの売り上げは12億ドルで前年度比41%の増加。ロリンズ氏は「サービスはデルにとって戦略的に重要。データセンターなどエンタープライズ分野を伸ばすためには必要不可欠な事業だ」と述べた。デルは2009年度までに全体の売り上げを、現在の2倍近くの800億ドルに増やすことを目標にしている。成長分のうちの80%はデスクトップPC以外の分野で稼ぐ考えで、エンタープライズ事業と、エンタープライズ事業の伸びを下支えするサービス事業の拡大は目標達成の必須要件だ。また、成長分のうち約55%は米国以外の市場で売り上げる計画もあり、日本法人はいま以上の貢献が期待されている。

(@IT 垣内郁栄)

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