日本デビューを飾った米デルの新CEO ケビン・ロリンズ氏

2004/7/28

 2004年7月に米デルのCEOに就任したばかりのケビン・ロリンズ(Kevin Rolins)氏が、日本での初のお披露目となる来日記者会見を行った。

米デル 社長兼CEOのケビン・ロリンズ氏

 ロリンズ氏がデルの戦略的重点項目として掲げたのは、「グローバリゼーション」「カスタマー・エクスペリエンス」「製品リーダーシップ」「勝利する文化」の4つだ。ここでそのいくつかを紹介しよう。

 グローバリゼーションでは、各国におけるデルのマーケットシェアのグラフを示しながら、各国でいかにデルが支持されているかを強調した。ロリンズ氏は「ここ数年間で世界で18%のシェア、600億ドル企業(売上高)になる」と言明した。そうした世界戦略の中で、日本および中国はデルにとって最重要な戦略的な市場であるという。1993年に日本市場に参入し、直近のPC市場のシェアでは「12.2%のシェア」(デル 代表取締役社長 浜田宏氏)を獲得したが、さらに「18〜19%の世界の平均レベルのマーケットシェアを獲得したい」と述べ、さらなる日本におけるマーケット拡大を狙っていく姿勢を明確にした。しかし、その実現をいつまでかという点に関しては、「ゴールは設定していない」と言明しなかった。

 浜田氏は日本市場について、「7月で第2四半期が終わる。おかげさまで最終数字では出ていないが、個人、法人向けとも好調に伸びている」と語った。さらにが「12.2%の(PCのマーケット)シェアはデルの日本レコード」と延べ、業績の好調さをアピールした。ロリンズ氏が語る日本市場18〜19%のマーケットシェアについて、「正しいことをコツコツと行っていけば、(マーケットシェアの)1番、2番(企業)の背中が見えてくる」と自信を見せた。

 製品のリーダーシップに関しては、デルが常に強調しているとおり、オープンスタンダード(業界標準)技術にフォーカスする。また、デルが業界にもたらした効果として「デル効果(Dell Effect)」に言及した。デル効果を簡単にまとめれば、デル参入で世界のサーバやストレージ市場の価格が下がり、それによって業界の収益も下がったが、顧客は大きな利益を得られたというものだ。また、デルの成長が業界平均を上回るペースであることを強調、成長という観点からも業界のリーダーであると強調した。

 ロリンズ氏は米国から雇用が海外へ流出していることについて、米大統領選でも争点となっているようだが、という質問を受けると、「デルはオールショアだ。グローバルな企業として、マーケット、雇用を拡大し生活を豊かにしている」と強調した。同社は米国を含む全世界で雇用などを伸ばしている現状をオールショアという言葉で説明し、オフショアという形で労働力の海外移転を進めている企業ではないと強調した。

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デルの発表資料

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