NECエレ、開発者の悲鳴を緩和する戦略を強化
2005/11/15
NECエレクトロニクス(以下、NECエレ)は11月14日、システムLSIやOS、ミドルウェアなど基本部分を共通化した半導体ソリューションプラットフォーム「platformOViA」の強化施策として、パートナー企業を支援する制度「platformOViAパートナープログラム」の運用を開始したと発表した。同社では、2006年第2四半期から本格的なビジネス開始すべく準備を進めている。
NECエレクトロニクス システムソフトウェア開発事業本部長 光岡誠治氏 |
具体的には、「携帯電話」「DVDレコーダーなどのデジタルAV」「カーナビなどの車戴情報システム」の3分野のセットメーカー向けに、NECエレが開発した分野別に特化したLSIと、Linuxとドライバ、各種インターフェイスをセットにしたもの、パートナー企業が開発・提供するWebブラウザやJava、メディアプレーヤーといったミドルウェアの3つをセットにして提供する。光岡氏は、「セットメーカーはOViAに準拠したシステムを構築するだけで、基本部分をOViAに置き換えることが可能になる。これにより、最大70%の開発効率を向上させることができ、3分野間でのアプリケーション流用が容易になるほか、独自技術の開発にリソースを集約でき、競争力の増加が期待できるだろう」と語り、OViA導入のメリットを説明した。
今回運用を開始した「platformOViAパートナープログラム」では、パートナー企業製品がOViA上で確実に動作するかNECエレが検証して認定する認定制度の開始や、窓口の一本化、サポートの強化などを行う。同社は互換性テストLABを設置し、パートナーが作成したソフトウェアのplatformOViAでの動作検証を行う。確認がとれた製品はミドルウェアとして認定する。動作検証結果はWebサイト上でも公開する。参加企業は、現在のところジャストシステムなど17社。
パートナー支援制度では、NECエレの販売網を利用した拡販や共同プロモーションの実施といったマーケティング支援、先行技術情報の提供や評価ボード、開発環境の提供などの技術サポートを主に行う。また、パートナーが作成した各ミドルウェアはplatformOViAに組み込んだうえでセットメーカーに提供し、セットメーカーからの問い合わせ窓口をNECエレだけに絞り、簡潔にする。
また、同社はOViAのメディアインターフェイスの仕様「ver 1.0」も発表した。ただし、「ver 1.0は、仕様の概要が決まった程度。随時アップデートしていく」(光岡氏)とのこと。
今後の予定としては、2006年第1四半期まで引き続きメディアインターフェイスの普及活動を行うほか、2006年第1四半期〜第2四半期では海外でのパートナー企業開拓を行う。そして、2006年第2四半期からはOViAに対応したシステムLSIの本格的なビジネス展開を始める予定だ。光岡氏は、「OViAの一部は社内でもすでに導入済みだ。現時点でも、導入したいという声があれば、OViAの一部は導入できるだろう。今後は仕様やサポートプログラムを充実させたい。来年には、海外でもパートナーおよびビジネスを拡大し、システムLSIにおける世界標準を目指す」とコメントした。
(@IT 大津心)
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