「マイクロソフトは広告ビジネスに賭ける」、バルマーCEO

2005/11/18

 米マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏は11月17日、米国で11月1日に発表した「Windows Live」「Office Live」などインターネットベースのソフトウェアサービスについて「ユーザーの広告体験を向上させるサービスだ」と説明したうえで、「私たちは広告に賭けることを決定した。収益の源として広告に頼るという賭けをしたのだ」と述べ、ソフトウェアサービスで広告ビジネスを全面的に展開することを強調した。

米マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマー氏

 バルマー氏はWindows Live、Office Liveについて「いまのWindowsやOfficeの姿を置き換えるサービスではない。拡張し、発展させるサービスで、主に広告収入で展開する」と説明した。マイクロソフトはWindows Live、Office LiveのほかにXbox Liveや既存のMSNで広告ビジネスを本格展開する。バルマー氏はマイクロソフトが構築する広告配信のプラットフォーム「adCenter」にパートナー企業を参加させることも表明した。

 広告ビジネスにおけるパートナー企業の役割は、広告主とユーザーをつなぐこと。特にPC以外のテレビやモバイル向けの広告配信をバルマー氏は期待しているようだ。マイクロソフトが考える広告ビジネスでは、広告配信は、より知的になる。ユーザーの好みを無視して広告が表示されるのではなく、adCenterを使うサービスでは「ユーザーの関心ある広告を配信し、ユーザー自身がコントロールできるようにする」とバルマー氏は説明。「適切な広告を適切なタイミングでユーザーに配信するわれわれのテクノロジが重要になる。サプライズの広告は、なしだ」(バルマー氏)。

 バルマー氏はマイクロソフトの広告ビジネスについて「今年は20億ドル以上の収入を上げたい」と述べた。マイクロソフト全体の中では大きなビジネスではないが「最も急成長するだろう」と期待を示した。バルマー氏はマイクロソフト日本法人のMSN事業部のスタッフを1年で倍増することも明らかにし、「マイクロソフトは広告ビジネスにおける世界的なリーダーになりたい。まだまだ学習の余地はある」と訴えた。

(@IT 垣内郁栄)

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