壊れたHDDのデータ復旧できるの知ってましたか?
2005/11/30
ワイ・イー・データは11月29日、データ復旧の可否情報をWebブラウザ上で提供するサービス「Ontrack VeriFile Online Data Reports」(以下、VeriFile)の提供を12月1日より開始すると発表した。法人向けのデータ復旧サービスだけではなく、個人向けのサービスも提供する予定だ。
ワイ・イー・データ 常務取締役 オントラック事業部長 浜田賢一氏 |
ワイ・イー・データでは、物理的に破損したメディアや内部の機械的問題などによって復旧できなくなったデータ復旧を試みる「ラボラトリ・データ復旧サービス」と、ハードディスクドライブ(HDD)の論理的破壊の復旧をインターネット経由で行う「リモート・データ復旧サービス」、開かなくなったファイルを修復する「ファイル修復サービス」の3種類のデータ復旧サービスを提供している。中でも一番依頼が多いのが物理的に破損したHDDのデータを復旧するラボラトリサービスだという。
同社では、破損したメディアを受け取ると、データ復旧ができるかどうかの調査を行い、「どの程度、復旧ができるか」「ディスク内にどのようなデータが入っていたか」などの調査結果をユーザーにレポートする。ユーザーはレポート内を精査し、データ復旧の必要性があれば、データ復旧を申し込むことになる。調査から復旧したデータをユーザーに渡すまでの時間はおおよそ3日間からとなる。ワイ・イー・データ オントラック事業部 副事業部長 営業部長 沼田理氏は、「競合他社で“復旧不可能”と判定されたものでも、60%以上が復旧できた実績がある。特に、調査の段階の正確さや早さはデータ復旧をするか、しないかの肝になるので重要だ」と説明した。
ディスクを調査した際に、中に含まれているファイル名や容量、破損状況などのデータをユーザーに報告する。従来は、その報告方法がテキストデータを添付で送り、ユーザーはプリントアウトするなどしてチェックしていたが、検索性が悪いなどのデメリットがあった。今回発表されたVeriFileは、その報告をWebブラウザベースで提供するというもの。
「VeriFile」のデモ画面。ハードディスク内のデータがエクスプローラ形式で表示されるのでどんなデータが入っているのかが、視覚的に分かりやすくなっている |
浜田氏は、「HDD復旧の平均的なコストは四十数万円だ。いままでは、分かりやすい調査結果もない状態で、数十万円のお金を払うか、払わないかの決断をしなければならなかった。VeriFileによって、HDDの中身や『必要なデータは復旧できるか?』といった大事なポイントを踏まえたうえで判断できるようになるだろう」と説明。「データ復旧サービスはまだまだ知名度が低く、20%程度のユーザーしか壊れたHDDからデータ復旧できることを知らない。米国では年率20%で成長している市場なので、今後も啓蒙活動を行い、年率20%の成長を目指したい」と今後の意気込みを語った。
(@IT 大津心)
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