検索分野の最大ニュースは「Yahoo! JAPANの検索エンジン変更」

2005/12/17

 アウンコンサルティングは12月16日、検索エンジンマーケティング(SEM)業界で話題を呼んだ10大ニュースを発表した。1位は、Yahoo! JAPANがロボット検索を優先的に表示するようになったニュースだった。

 アウンコンサルティングは、SEM専業のコンサルティング会社。この10大ニュースも、SEM専業コンサルティング会社ならではの視点で選定したという。1位のYahoo! JAPANの件は、同社がGoogleの検索エンジンから独自開発の「Yahoo! Search Technology(YST)」に切り替え、従来のカテゴリ優先表示からロボット検索の結果を優先的に表示するようになったというもの。合わせてオーバーチュアの検索連動型広告「スポンサードサーチ」の広告枠も拡大した。

 日本最大のポータルサイトであるYahoo! JAPANが検索エンジンを変えた効果は大きく、変更後大きくページビューが落ち込んだサイトや、逆に検索上位に表示されるようになってページビューが伸びたサイトが現れるなど、大きな影響を与えた。

 第2位には、Googleがアクセス解析ツール会社「Urchin」を買収し、アクセス解析ソフト「Google Analytics」を無料で公開したニュースが選ばれた。Google Analyticsは、Googleアカウントを持つ全ユーザーに無償で公開されたためアクセスが殺到し、新規加入を制限する事態にまで発展した。第3位には、電通の調査でインターネット広告費が初めてラジオ広告費を抜いたニュースが選ばれた。調査によると、2004年のインターネット広告費は前年比53.3%増の1814億円で、ラジオ広告費1795億円を上回った。

 第4位には、テレビCMや紙媒体との連携による検索連動型広告が本格化したことが入った。NECの「Nを探せ」を代表とする『テレビCMなどのマス媒体によって、ユーザーにキーワード検索を促す広告手法』が流行した。第5位には、Yahoo! モバイルもロボット型検索エンジンを採用したニュースが選ばれた。モバイル版は、従来の人手によるサイト登録に加えて、日米Yahoo!の共同開発によるロボット型検索エンジンによって収集された携帯電話向けWebサイトも追加された。

 6位には、Google MapsやGoogle Earthを皮切りに地図検索が人気になったことが、7位には、MSNサーチの検索エンジンが1億ドルを投資して作られた自社開発検索エンジンに切り替えられたニュースがランクインした。以下、8位には、モバイル検索において、Yahoo!とgooに引き続きGoogleが参入した件が、9位にはGoogleに続き、Yahoo!とMSNがデスクトップ検索ツールをリリースしたニュースが、10位にはGoogleに続いてYahoo!とMSNが検索APIを公開したニュースが取り上げられた。

 アウンコンサルティングこの結果を、第3位や第4位のニュースに象徴されるように「検索」という行動がインターネットユーザーにとって身近なものとして定着し、企業のマーケティング活動にとって見逃せないチャネルになったと分析。さらに、「5位や8位のモバイル検索や、9位のデスクトップ検索など、検索サービスの領域が広がった年でもあり、2006年に向けてさらに注目が必要だ」とコメントした。

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アウンコンサルティングの発表資料(PDF)

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