これからの化粧品のお試しは手間要らず?

2006/2/14

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)とセイジョー、デジタルファッションの3社は2月13日、RFIDタグ(無線タグ)を活用したメイクアップシミュレーションシステムを利用して、化粧品の販売促進を実現するための実証実験を2月下旬より開始すると発表した。

 この実験は、東京世田谷区にあるドラッグストア「セイジョー茶沢通り」の化粧品売り場にデジタルファッションが開発したメイクアップシミュレータを設置し、2月下旬から3月上旬まで行う。対象商品は、コーセー「LUMINOUS」の新製品リップ10色とチーク(ほお紅)4色。ユーザーはRFIDの付いた対象商品をメイクアップシミュレータ上に置くと、カメラに映ったユーザーのリアルタイム映像に対して、「この化粧品を自分に実際に塗るとどうなるのか」というメイクアップシミュレーションを施すというもの。

メイクアップシミュレータの概観。モニタ手前のボード上にRFIDの付いたリップやチークを置くと、前方のモニタ上にシミュレーションされた画像がリアルタイムで映し出される仕組みだ RFIDの付いたリップとチークの見本。下に映っているのは、シミュレーション結果を印刷したところ

 RFIDのついたリップやチークを機械の上に置くと、メイクアップシミュレータがRFIDを読み取り、NTTコムのデータセンター上にあるデータベースからタグ情報や商品情報、推薦商品情報を検索。その結果をシミュレータに戻して画面上に表示する仕組みとなっている。従って、シミュレータの画面上には、ユーザーの顔にリアルタイムで対象商品をメイクアップした画像のほか、その化粧品に合った関連商品などの付随情報も表示される。NTTコミュニケーションズ 第二法人営業本部 e-ガバメント営業部 担当課長 佐村俊幸氏は、「従来、化粧品を試すには実際に自分の顔に塗る方法が主流だった。このシミュレータを利用することで、実際に塗らなくても簡単に塗ったときのイメージを見ることができるので、販促に役立つのではないか」とコメントした。

シミュレーション結果の画面。左はシミュレーション前で右がシミュレーション後。リップやチークが塗られているのが分かる シミュレーション結果の右側には関連商品や推奨商品の情報が表示される仕組みだ

 実証実験では、「メイクアップシミュレータを店頭に設置することによる来店者数や商品関心の向上度」や「RFIDによって表示される推奨情報の有効性の検証・評価」「商品ごとのRFID読み取り履歴のマーケティング活用の有効性の検証・評価」の3点をメインに行う。

 佐村氏は、「実証実験が終わった後の対応に関しては、現在検討中だ。今回のシステムでは、取り込んだ画像の上にチークやリップの色を上塗りしているだけなので、すでに濃い色のメイクをしているユーザーの場合、きちんとした色が出ない場合がある。この場合の色調整なども実験を通して検証していきたい」と語った。

(@IT 大津心)

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NTTコムの発表資料

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