普及はやっぱり端末次第〜インテリシンク

2006/4/12

 インテリシンクは4月11日、同社の2006年における営業・マーケティング方針を発表。同社 営業マーケティング担当副社長 井手龍彦氏が説明した。2006年は、業種別や地域別のパートナーシップを強化するほか、ASPサービスの早期実現を目標に挙げた。

インテリシンク 営業マーケティング担当副社長 井手龍彦氏
 インテリシンクは、グループウェアやCRMのデータをPDAや携帯電話などと同期させるコンシューマ向けの製品を主に提供している。親会社である米インテリシンクは、2005年11月に携帯電話会社のノキアに買収され、エンタープライズ・ソリューション部門に編入された。2006年5月には、Lotus Domino 7をサポートした次バージョン「Intellisync Mobile Suite 7」を発表予定だ。

 同社が行ったアンケートによると、携帯電話で利用したいアプリケーションは1位がメール、2位がスケジュール、3位が日報・作業報告、4位がグループウェアとなった。一方で、モバイル環境導入の課題には、1位に通信コストの高さ、2位に端末の操作性の難しさ、3位に通信速度の遅さが挙げられた。また、モバイル端末の導入を決定する部門は、総務とIT部門が同意することがほぼ必須となってきており、「現在では、総務部門よりもIT部門のウェートがかなり高くなってきている。実質的にIT部門が導入を決めているといってもよいだろう」(井手氏)とコメントした。

 インテリシンクの2006年の戦略は、大きく「営業パートナー戦略」「ソリューションパートナー戦略」「ASP戦略」の3つに分けられる。営業パートナー戦略では、従来、首都圏や関東圏に集中していたパートナー開拓を関西圏やほかのエリアに拡大する。また、業種業界別に強いパートナーとの提携や、国内大手企業グループを担当するパートナーの新規開拓なども含まれる。井出氏は、「現在6社のパートナー企業が決まっているが、これを年内には10社くらいまで拡大したい」と意気込みを語った。

 ソリューションパートナー戦略では、すでに対応しているグループウェアだけではなく、ユーザーの需要の高い、SFAやCRMのソリューションパートナーを開拓する。また、インテリシンクの強みの1つであるモバイルセキュリティをさらに強化するために、セキュリティソリューションを提供するパートナー企業との連携も図る。ASP戦略では、すでに米国で提供しているメールプッシュサービスなど各種ASPサービスを、企業内個人ユーザーやハイエンド個人ユーザー向けに提供するというもの。井出氏は「インテリシンクのASPサービスは米国では多くの事業者にASPサービスのバックエンドとして採用されている。米ベライゾンは25万人以上のユーザーにインテリシンクのメールプッシュサービスを提供している。日本でもキャリアと交渉し、早期に提供を開始したい」とコメントした。

 ASPサービスではそのほかにも、モバイル端末のセキュリティや変更管理などの各種管理機能や、セキュリティ機能の強化などが行えるという。一方で、パフォーマンス面も考慮し、セキュリティとパフォーマンスを両立させているとした。現在、ウィルコムが社内評価を行っているほか、主要キャリア4社に対して営業活動を行っている。井出氏は「インテリシンクのASPサービスの利用者数は、最終的には端末の人気次第だ。爆発的な人気のある対応機種が登場すれば、あっという間に普及するだろう。2006年後半には各キャリアがWindows Mobileなどを搭載した機種を提供すると聞いているので期待している。年内には、複数の携帯電話キャリアに採用してもらいたい」と語った。

(@IT 大津心)

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