OSSスキルを持った人材が不足 IBM部長が警鐘鳴らす
2006/4/15
日本IBM ソフトウェア開発研究所 事業開発推進 AP Linux技術センター部長の杉山昌治氏は、日本国内のOSSの導入意向の高まりに反して、高いスキルを持つ人材が不足している現状に警鐘を鳴らした。杉山氏はIBMが4月13日に開催した「Linuxコンファレンス〜春〜」のセッションに登場し、語った。
日本IBM ソフトウェア開発研究所 事業開発推進 AP Linux技術センター部長の杉山昌治氏 |
杉山氏は、国内OSSの市場動向についてデータを紹介。「OSSの認知度や導入意向が高まってきた」とし「古くから実績があるWebサーバや電子メールサーバのほかに、最近ではデータベースの分野でも実績が増えてきたことから、導入を考える顧客が多くなってきた」と語った。
一方、「スキルのある人材がいない」ためにOSSに不安を感じているユーザー層がいることを取り上げ、「逆に良い方向に考えると、OSSスキルを持つ人を見つけたり、社内で育成することで自分たちが運営・管理を行えるようになり、コストメリットが出てくる可能性がある」と述べた。また「Linux、UNIXで培ったスキルは、単一目的のスキルではなく、広い範囲でのスキルとして使えることがメリット」と指摘した。
さらに、日本のソフトウェア輸出の比率が低いことや、中の構造を知らないまま海外のソフトウェアを組み合わせて使うなどといった、日本におけるソフトウェア技術の空洞化の問題を指摘。「あるものを組み合わせて作って何かトラブルがあった場合、原因の特定に時間がかかってしまうことを実感してきた」とし、「ソースコードの中身をいじれる力が不可欠」と強調した。
(@IT 千葉大輔)
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