BEAはオープンソースをどう「ブレンド」していくのか
2006/4/19
日本BEAシステムズは4月18日、開発ツールの側面から、同社の「ブレンドソリューション」戦略を報道関係者に対して説明した。「ブレンドソリューション」では、同社の商用ソフトウェアをオープンソース・ソフトウェア(OSS)と組み合わせて提供していく。
米BEAシステムズのビル・ロス氏 |
同戦略を説明した米BEAシステムズのWorkshopビジネス部門に属する著名開発者のビル・ロス(Bill Roth)氏は、BEAがOSSコンポーネントを同社製品に組み込むとともに、自社の技術をオープンソース・コミュニティに寄贈してきたことを強調。ブレンドソリューションではパフォーマンスや管理、拡張性といった点でOSSを補完し、OSSにまつわるリスクやコストの低減を図っていくことが目的だと話した。
開発ツールに関しては、同社のBEA Workshopファミリーを一貫して利用しながら、Tomcat、JBoss、そしてWebLogic Serverと、信頼性や拡張性を高めるためにアプリケーションサーバを簡単に移行していくことができると同氏は説明した。
BEA Workshopファミリーでは、「BEA WebLogic Workshop」に加え、BEAがM7の買収によって入手した「BEA Workshop Studio」(旧NitroX Studio)が現在米国で販売されている。
BEA Workshop Studioは、StrutsやJava Server Faces(JSF)を活用した開発における手作業を軽減することを目的としている。また、依存性や論理フローを可視化できる「AppXRay」というツールが付属し、開発の生産性を大幅に向上できるとロス氏はアピールする。
BEAではこの2つを共存可能とした「BEA Workshop for WebLogic Platform 9.2」のベータ版を提供中。Workshop for WebLogic 8.1の機能をすべて継承し、Eclipseベースに移行した。2006年夏にはこの製品の正式版が米国で登場の予定。さらにその数カ月後には、2つのツールを完全に統合したBEA Workshop for WebLogicの次期バージョンが提供されることになっている。
日本BEAでは、米国での製品提供スケジュールより数カ月遅れるものの、日本語版を提供していくという。Workshop for WebLogic 9.2のベータ版については、基本的に日本語が通るため、現在の段階でも試用可能という。
ロス氏はオープンソースを取り込んだ同社のビジネスモデルについて、「OSSベンダはサービスで稼ごうとしているが、BEAは商用ソフトウェアベンダとしてやっていく。すべてがオープンソースになるのはいつかとよく聞かれるが、商用ソフトウェアがなくなることはあり得ない。コミュニティの開発者と商用ソフトウェアの開発者の動機はまったく異なる。企業コンピューティングに求められる堅牢なソフトウェアは、レーザー光線のように(細かく)焦点を定めて臨まなければ実現することができない」と語った。
(@IT 三木泉)
[関連リンク]
日本BEAシステムズの発表資料
[関連記事]
スピードだけじゃない、BEAの新しいJavaVM (@ITNews)
「空中戦は終わった」、BEAがSOA実践のノウハウ集提供 (@ITNews)
ゼロ・ダウンタイムを目指すBEA WebLogic Server 9.0J (@ITNews)
情報をお寄せください:
最新記事
|
|