日本のOSSコミュニティは元気か? OSDL新ディレクタが会見

2006/6/1

 米オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)の日本担当ディレクタに4月19日付で就任した工内隆氏は5月31日会見し、「コミュニティとスポンサー、日本の開発者と海外の開発者との橋渡しができるようOSDLは努力する」と話し、OSDLが展開している「Bridges to Communities」を国内でも進める考えを示した。

OSDLの日本担当ディレクタに就任した工内隆氏

 工内氏の前職は富士通のサーバシステム事業本部 Linuxソフトウェア開発統括部 統括部長代理。富士通時代からOSDLや日本OSS推進フォーラムの活動にかかわってきた。

 会見で工内氏は、技術提供や資金提供、人材などでオープンソースソフトウェア(OSS)の活動を支えるOSDLのスポンサー企業の貢献を説明。そのうえで「OSDLはユーザー、コミュニティ、スポンサーのうちでニュートラルな立場にある」と語り、3者の関係を活性化させるOSDLの役割を説明した。

 工内氏が力を入れるのは日本のOSSコミュニティの活性化だ。Bridges to Communitiesの一環として、OSDLはOSS開発者のリーダーから構成する「テクニカル・アドバイザリ・ボード」(TAB)を3月に設立した。コミュニティとベンダ間のコミュニケーションや、ベンダがOSSプロジェクトに参加することを促すのが目的。OSDL CEOのスチュアート・コーエン(Stuart Cohen)氏は「ソフトウェア開発はもはや単一の地域や組織だけにとらわれるべきではない」と語り、コミュニティ活動の重要性を指摘した。

 国内ではTABのメンバーを日本に招聘(しょうへい)し、日本の開発者と語り合う「OSDL-Japan Linux Symposium」を6月13日に開催する。今後、年に3〜4回行う考え。OSDLに関係する企業、コミュニティだけでなく、外部の参加者も積極的に招く方針。工内氏は「日本の開発者の発想をグローバルに広げる機会」としている。

(@IT 垣内郁栄)

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