中堅企業もサーバ統合を、日立がBladeSymphonyの小型製品発表
2006/6/2
日立製作所は6月1日、IAサーバとネットワーク、ストレージを統合したプラットフォーム製品「BladeSymphony」のブレードサーバ新モデル「BS320」の販売を開始したと発表した。中堅企業やデータセンターでの利用を想定したモデル。日立はBladeSymphonyのパートナー経由の間接販売を増やすために新部署の「プラットフォーム拡販推進センタ」を同日付で設立した。
日立製作所の執行役専務 情報・通信グループ グループ長&CEO 篠本学氏 |
BladeSymphonyは2004年に登場。これまでは企業の基幹系システムなどで利用するハイエンドのラインアップが中心だったが、今後は中堅やデータセンターの市場にもBladeSymphonyの浸透を目指す。管理性の良さや省スペースをアピールし、乱立するPCサーバの統合やオフコンからのリプレース、中堅企業でのERP利用などでの導入を目指す。同社の執行役専務 情報・通信グループ グループ長&CEO 篠本学氏は「統合、仮想化はこれからのプラットフォームの必然だ。PCサーバ並みに使ってもらうことを狙っている」と話す。
BS320は、インテルのデュアルコアXeonプロセッサ(5000番台製品、3GHz/3.20GHz)を最大2個搭載できるサーバモジュールを、10個まで実装可能。ほかにLANスイッチモジュールを最大2個、ファイバチャネルスイッチのモジュールを最大2個、マネジメントモジュールを最大2個搭載できる。サイズは6U型で、日立は「1Uラックマウントサーバを使う場合と比べて最大約57%の省スペース化が実現できる」としている。日立のエンタープライズサーバ事業部長 北野昌宏氏は「データセンターで特に要望が多い、省スペース、省電力、軽量化を特に意識した」と話した。
BladeSymphonyのハイエンドモデル「BS1000」も強化した。デュアルコアのXeonプロセッサを搭載したサーバモジュールを追加。デュアルコアのItanium 2プロセッサ「Montecito」(開発コード名)も今後サポートする。Montecitoには仮想化技術の「インテル バーチャライゼーション テクノロジ」が組み込まれる予定で、日立は同技術に対応した日立仮想化機構(仮称)でサポートする予定(関連記事)。
ブレードサーバ新モデル「BS320」を組み込んだ「BladeSymphony」 |
日立はBS320の投入に合わせて、顧客の目的に合う構成や設定をあらかじめ行う「ベースモデル」を提供開始する。提供するのは「クイックスタート」「かんたん運用」「ストレージセット」「自動回復」。クイックスタートはBS320に「Windows Server 2003 R2」をインストールし、導入後すぐに利用開始できるようにした構成。かんたん運用はBS320と管理サーバの「HA8000/30」、管理ソフトウェアを組み合わせて障害管理やシステムバックアップ/リストア、バッチ一括配布機能などを利用できるようにする。
ストレージセットはBS320に、ファイバチャネルスイッチとエントリクラスのディスクアレイ装置、ストレージ管理ソフトウェアを組み合わせた構成。ファイルサーバやデータベースサーバなどに利用できる。自動回復は、本番サーバの障害時にブートディスクを予備サーバに自動的に移して短時間で業務を再開できるN+1コールドスタンバイに対応する構成。ファイバチャネルスイッチやRAIDコントローラなどのストレージパスを二重化し信頼性を高める。
価格はBS320のシャーシが59万1465円から。サーバモジュールが32万250円から。ベースモデルはクイックスタートが258万6780円、かんたん運用が551万1345円など。それぞれ9月19日に出荷開始する。
6月1日に設立したプラットフォーム拡販推進センタは上期中に100人程度まで増員し、パートナー販売を強化する。BladeSymphony全体では2006年度末までに累計で1100億円の売り上げを目指す。2008年度には単年度で1000億円の売り上げが目標だ。
(@IT 垣内郁栄)
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日立製作所の発表資料
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