2年経っても改善しないIT投資の難しさ、アビーム調査から
2006/6/7
「IT投資が期待通りの成果を挙げている企業は30%。2年前の調査と変わらず」。アビーム コンサルティングが6月6日に発表した企業の調査結果で、IT投資の難しさが改めて浮き彫りになった。アビームは「経営層、利用部門、IT部門の間に距離があるのが成功しない理由」と指摘している。
アビーム コンサルティングの経営研究部(アビームリサーチ) ディレクター 木村公昭氏 |
調査は国内上場企業を中心に2000社にアンケートを実施。有効回答は141社だった。製造業が46%で、次いで金融業が15%、流通が13%、運輸・通信・サービスが11%などの構成比率。
過去3年間のIT投資について「期待通り」と答えた企業は30%。56%は「やや不十分」だった。「期待以上」と答えた企業がない一方で、10%は「不十分」と答えるなど、多くの企業がIT投資の最適化に苦慮していることが分かる。今回の調査結果は、アビームが2004年3月に発表した調査とほぼ同じ(関連記事)。2年前は30%が「期待通り」、55%が「やや不十分」だった。多くの企業でIT投資の課題が改善されていないことが分かる。
同社の経営研究部(アビームリサーチ) ディレクター 木村公昭氏はIT投資がうまく行かない理由について、「利用部門からのボトムアップが中心で、既存業務が前提になっている。部門のためにはなっても全体最適になっていない」「利用部門は開発要求を出して終わり、IT部門は開発が終われば教育は利用部門任せなど責任体制があいまい」「業務とITの両方を理解する人材の不足」などを挙げた。そのうえで「どれもIT部門だけでは解決できない。経営層、利用部門、IT部門の3部門が協働して解決に取り組むべきだ」と提言した。
(@IT 垣内郁栄)
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アビーム コンサルティングの発表資料(PDF)
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