300台のファイルサーバを7台に、富士フイルムが事例紹介
2006/6/8
「300台強のファイルサーバを7台のファイルサーバに統合した」。富士フイルムコンピューターシステムのシステム事業部 ITインフラ部 部長の湯川立哉氏は、6月7日にあった日本ネットワーク・アプライアンス(NetApp)のイベントで講演し、親会社の富士写真フイルムで実現したファイルサーバ統合を説明した。
富士フイルムコンピューターシステムのシステム事業部 ITインフラ部 部長の湯川立哉氏 |
富士フイルムは2年前に策定した中期経営計画で「Global One Fujifilmの実現」をテーマに掲げた。そのプロジェクトの1つがファイルサーバ統合だった。湯川氏らがファイルサーバ統合で重要視したのはエンドユーザーのレスポンス。ファイルサーバ統合では全社が利用できる単一の巨大ファイルサーバを構築するケースもあるが、湯川氏らは「WAN経由でファイルサーバアクセスを使うと十分なレスポンスが期待できない」と判断し、全国の事業所単位でファイルサーバを置く方法を採った。
ファイルサーバは300台強を7台に統合し、全国の事業所に設置。NetAppのFASシリーズを使った。分散ファイル・システム(Distributed File System)の仕組みを使い、複数のファイルサーバ環境でも、単一ファイルサーバ上のフォルダと同様にアクセスできるようにした。また、各事業所のファイルサーバのデータはNetAppの「SnapVaultソフトウェア」を使って夜間にデータセンターの「NetApp NearStore R200」にバックアップ。R200のデータはさらにテープにバックアップし、外部倉庫に保存する。「Disk to Disk to Tapeのバックアップ体制を構築し、事業所のファイルサーバが使えなくてもリカバリできるようにした」(湯川氏)。
クライアントPCのデータ統合も進めている。クライアントPCのマイドキュメントやデスクトップのデータをファイルサーバに統合し、クライアントPCには業務データを保存しないようにした。紛失や盗難でPCを失っても情報の漏洩が起きないようにする。また、富士フイルムのネットワークに接続できれば、どのPCでも自分のPC環境を使えるようにした。
ファイルサーバ統合の次段階として湯川氏らはファイルアクセス監査システムの導入を検討している。ファイルサーバへのエンドユーザーのアクセスを記録し、ログとして残すシステムで、内部統制強化が狙い。記録することを社員に通知することで、不正行為の抑止になることも期待している。
(@IT 垣内郁栄)
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