Web 2.0時代のBPOとは、富士通の運用シフト鮮明に
2006/6/17
富士通は6月16日、従来提供してきたアウトソーシングのメニューを刷新し、ビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)サービスを本格展開すると発表した。同社はシステム構築事業から運用サービス事業へのシフトを表明している。IT運用プロセスから業務運用プロセスの変革に注目する顧客企業に対応し、ITアウトソーシングだけでなく、「業務の実オペレーションにフォーカスする」(同社 経営執行役 アウトソーシング事業本部長 石田一雄氏)。
富士通の経営執行役 アウトソーシング事業本部長 石田一雄氏 |
提供するのはBPOに必要な「分析・診断」「設計・構築」「運用」の各サービス。分析・診断では顧客企業の現地調査、現状分析、プロセス可視化などを行う。設計・構築ではこれまでのBPOのノウハウを基に業務プロセスの最適化やリソースの再配置、システム構築などを提案。そのうえで運用として、実際に業務プロセスの処理を富士通が請け負う。
請け負うのは「受付・入力・出力・保管・配送業務」「コンタクトセンターサービス」などで、富士通エフ・アイ・ピー、コーポレイトソフトウェアが中心となって提供する。対象となる業務はデータ配信・プリント、DM発送、受発注処理、申込書入力など企業の間接業務全般。第2ステップとして与信審査や税務申告、人事採用などの請け負いも予定している。
富士通は2006年度中に東京・蒲田の富士通ソリューションスクエア内に、1700平方メートルのBPOサービスセンターを新設する計画。コンタクトセンターやエントリ/プリンティングなどのサービスを提供する。富士通は今後3年間で150社の導入と150億円の受注額を目指す。
石田氏は「開発に何年もかかるとデリバーするころには世の中が動いていっている。Web 2.0の世界では、ベータ版でも価値を顧客に訴求し、業務展開をしていくのが新しい姿ではないか」と話し、運用サービスを基軸にした企業情報システムを説明した。
(@IT 垣内郁栄)
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