オラクルがコンテンツ管理に参入、9月にも新製品発表

2006/8/31

 日本オラクルは8月30日、企業内の構造化されていないデータを安全に格納するコンテンツ管理の新製品「Oracle Content Database」を9月にも発表、出荷する考えを示した。企業内データの8割は電子メールやOffice文書などの非構造化データと言われ、内部統制整備や情報漏えい対策を考えると非構造化データの管理は急務。オラクルは非構造化データ管理の市場拡大を見込んでいる。

米オラクルのテクノロジ・グローバル・セールスサポート シニア・ディレクター ニック・クリティコス氏

 Oracle Content Databaseは米国で6月に発表。国内でもすでに営業活動を始めている。Oracle Content Databaseは、Oracle Databaseを使ったドキュメント、ファイルの管理システム。Oracle Databaseの高可用性やスケーラビリティをベースに、ロールに基づくファイルごとのアクセス管理、ポリシーによるドキュメントのライフサイクル管理、バージョン管理が可能。アクセスログのトラッキングも可能で、監査証跡の取得もできる。

 また、外部アプリケーションと連携し、ドキュメントを使った承認などのワークフローを構築できる。ワークフローは「Oracle BPEL Process Manager」を使っても定義可能。Webサービス APIを持ち、ほかの業務アプリケーションの非構造化データをOracle Content Databaseに格納することもできる。

 米オラクルのテクノロジ・グローバル・セールスサポート シニア・ディレクター ニック・クリティコス(Nick Kritikos)氏はOracle Content Databaseについて「ナレッジワーカーの仕事を変える必要はない。エンドユーザーは従来のファイルサーバと同じ操作でOracle Content Databaseを利用できる」と説明した。Oracle Content Databaseは225種以上ののファイルタイプに対応。ドキュメントの本文をインデックス化してOracle Databaseに格納する。

 ほかのエンタープライズ・コンテンツ・マネジメント製品は他社製品を使ってワークフローを構築するケースがあるが、Oracle Content Databaseは自社製品だけで可能。クリティコス氏は「Oracle Content Databaseはワークフロー構築の仕組みを簡素化する」と話した。

 Oracle Content Databaseの競合とオラクルが考えるのはマイクロソフトの「Office SharePoint Portal Server」。ただ、クリティコス氏は「マイクロソフト製品はワークフローやレコード管理でまだ劣っている点がある」と指摘し、Oracle Content Databaseの優位を強調した。

(@IT 垣内郁栄)

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日本オラクル

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