“新”Turboシリーズ日本語版発売、プログラムの面白さをあらためて

2006/9/7

米ボーランド デベロッパーリレーションズ担当副社長兼チーフ・エヴァンジェリスト デビッド・インターシモーネ氏

 ボーランド デベロッパーツールズ事業本部は9月6日、「Turboシリーズ 日本語版」を9月19日に出荷すると発表した。「Turboシリーズ 日本語版」は、Windows/.NETのアプリケーション開発環境である「Borland Developer Studio」の単一言語版。学生や個人プログラマなどを中心に主にプログラム初心者を対象とする。

 「Turboシリーズ 日本語版」には「Turbo Delphi」「Turbo Delphi for .NET」「Turbo C++」「Turbo C#」の4つの製品がある。いずれもWindows向けのアプリケーション開発を支援するもの。ビジュアルな操作でアプリケーションを作成することができる。「Turbo Delphi for .NET」と「Turbo C#」には、モデルを使った開発が体験できる特別な機能(Enterprise Core Objects)が組み込まれている。このモデル開発機能は、.NETとASP.NETに対応している。

 各製品には、「Turbo Explorer」と「Turbo Professional」の2つのエディションがある。前者は無料。プログラミングの学習を始めるうえで必要最低限の機能が搭載されている。拡張・カスタマイズ機能はない。後者はカスタマイズ可能なエディション。独自に作成したカスタムコンポーネントや他社製コンポーネント、IDEアドオンをインストールして、拡張・カスタマイズが行える。価格は3万9900円。

 「Turbo Professional」のアカデミック・パックを8000円、教室で50人に使用できるアカデミックコンカレントライセンスの年間ライセンスを30万円とし、初心者プログラマが入手しやすい価格を設定した。

 1980年代に登場した「Turboシリーズ」によって、プログラムの基礎を習得したプログラマは少なくない。ボーランド デベロッパーツールズ事業本部 マーケティングディレクター 藤井等氏もその1人。藤井氏はTurboシリーズの復活によって、プログラムの面白さを再興したいとする。そして、実装をないがしろにし、上流工程を重視する昨今のIT業界の風潮に疑問を投げかける。「コードがなければプログラムは動かないのです」(藤井氏)。

 米ボーランドは2006年2月に開発ツール事業の売却を発表しており、3月に来日した米ボーランド デベロッパーリレーションズ担当副社長兼チーフ・エヴァンジェリスト デビッド・インターシモーネ(David Intersimone)氏は、@ITのインタビューに対し、6月の事業売却を目標としていると話したが、現時点でも“スピンアウト”の詳細は確定していない。

(@IT 谷古宇浩司)

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