ソーシャルカレンダー公開のインフォテリア、Googleカレンダーとの違いは?
2006/9/22
ソーシャルカレンダーソフトウェアが注目を集めている。筆頭は日本語版がリリースされた「Googleカレンダー」だが、8月にソーシャルカレンダーソフトウェア「c2talk」を発表したインフォテリアの代表取締役社長 平野洋一郎氏は「Googleカレンダーは単にカレンダー機能を提供するだけ。c2talkはカレンダーをユーザー・インターフェイスとして情報をマッシュアップ、活用するためのプラットフォームだ」と意気込む。
インフォテリアの代表取締役社長 平野洋一郎氏 |
c2talkは公開されているほかのユーザーのカレンダーを共有できるツール。天気予報やCDの発売日などネット上で提供されるほかのサービスと連動して、その日時をカレンダーに取り込み、ローカルのカレンダーと重ね合わせて表示させることもできる。特定のユーザーだけにカレンダーを公開する共有機能もある。
c2talkは、インターネットカレンダーの標準であるiCalendarに対応し、Googleカレンダーなどのほかのカレンダーソフトウェアやグループウェアの情報を取り込むことができる。RSSフィードを読み込むこともでき、平野氏は「時間軸を基にしたアプリケーションだ」と説明する。「これだけネットがつながってきているがその中で重要となっているのは時間。どれだけ時代が進んでも時間は限られる。そこにニーズがある」とc2talkの狙いを語る。
c2talkのインターフェイス。複数のカレンダー情報を重ね合わせて表示できる(クリックで拡大します) |
インフォテリアがGoogleカレンダーなどほかのソーシャルカレンダーソフトウェアとの違いとして訴えているのは、取り込める情報の広さだ。上記のような公開カレンダー情報、RSSフィードのほかに、一般Webサイトの情報、XMLデータを取り込んで時間軸に整理して見せることができる。c2talkはいわば情報活用のためのプラットフォームの位置付けだ。SaaS(Software as a Service)型アプリケーションが増えている中でc2talkは従来型のクライアントアプリケーションとして稼働する。これも「クライアントPCや企業内のデータをもっと取り込めるようにした」(平野氏)ことが理由だ。
ソーシャルカレンダーはWeb 2.0に関連付けられることが多いが、平野氏は「Web 2.0的なソフトウェアを開発しようとしたわけではない。c2talkは3年前に開発を始めた」と語る。インフォテリアはXMLを使ったデータ連携ソリューション「ASTERIA」など企業向けソフトウェアが主力の企業だ。しかし、c2talkは一般コンシューマを対象にした製品でインフォテリアのこれまでの製品とは色合いが異なるように思える。平野氏は「インフォテリアが重視しているのは組織を超えたコミュニケーションを提供すること。これまではASTERIAでサーバをつなぐ技術を提供してきた。しかし、サーバベースのつなぎは大企業から中堅企業くらいまで。c2talkは中堅企業から中小企業、SOHOのつなぎを考えて一般コンシューマから使ってもらいたい」と説明した。
c2talkのビジネスモデルはアフィリエイトなどを考えている。カレンダーと連動した広告を表示し、ユーザーをショッピングサイトなどに誘導する仕組みだ。しかし、ソーシャルカレンダーソフトウェアは「ほかのユーザーや情報とつながることに意味がある。まずは多くの人に使ってもらうことに注力する」(平野氏)としていて、当初は普及に力を入れる。ダウンロード数は7000件を突破。平野氏は「かなりの反響だ」と手ごたえを感じている。
(@IT 垣内郁栄)
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