上級者向け製品でセキュリティ市場に参入、ジャストシステム
2006/10/4
Kaspersky Labs ユージン・カスペルスキー氏(左)とジャストシステム 代表取締役社長 浮川和宣氏(右) |
ジャストシステムは10月3日、ロシアのセキュリティソフトベンダ Kaspersky Labsと提携し、個人向け製品の独占販売権を獲得したと発表した。11月17日に総合セキュリティソフト「Kaspersky Internet Security 6.0」とアンチウイルスソフト「Kaspersky Anti-Virus 6.0」を発売する。初年度25万本、15億円の売り上げが目標。
セキュリティソフト市場参入にあたり、ジャストシステムがKaspersky Labsを選んだ理由について、同社 代表取締役社長の浮川和宣氏は「1にも2にも技術力」と話した。トレンドマイクロやシマンテックなどと比較すると、日本市場での知名度が低いが、ドイツやフランスなど、ヨーロッパ市場を中心に2億人を超えるユーザー(OEMを含む)がいるという。
浮川氏が主張する技術力の根拠は、ウイルス・スパイウェア検知率や新種ウイルスへの対応速度、定義ファイルの更新頻度、対応圧縮・アーカイブ形式数の分野で「世界一の実績を上げている」(ジャストシステム)というもの。これらの調査結果は、AV-Test.orgとVirus Bulletinに拠っている。
「Kaspersky Anti-Virus 6.0」には、アンチウイルスソフト分野の先端技術である未知のウイルスを検知するエンジンが搭載されている。Kaspersky Labsでは「プロアクティブディフェンス」と呼ぶ。そのほか、感染PCへのインストールが可能であること、新規・変更済みファイルのみスキャンする機能の搭載、リソース負荷を判断してスキャン時のリソースを解放する機能など、アンチウイルスソフトを使用するうえでの利便性の高さを考慮した設計が施されている。
ジャストシステムは、今回のKaspersky Labsとの提携を皮切りにセキュリティ製品のラインアップを充実させていきたい意向を示している。浮川氏は「(今後)セキュリティ(製品の)クラスターを作っていきたい」と話した。
個人向けセキュリティ製品市場では、ソースネクストが更新料を無料にした低価格の「ウイルスセキュリティ ZERO」を投入し、シマンテックとトレンドマイクロの独占状態に風穴を開けた。また、マイクロソフトが次期OSにセキュリティ機能を組み込むと発表した。このような状況に対し、ジャストシステムは、今回発売する製品をPC上級者向けとすることで差別化を図ろうとしている。
(@IT 谷古宇浩司)
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ジャストシステムの発表資料
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