Siebel CRMは手組みアプリを超えられるか、オラクルが金融向け新戦略
2006/10/11
日本オラクル、日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)は10月10日会見し、金融業界向けに従来のERP、勘定系アプリケーションに加えて、「Siebel CRM」を積極的に展開する方針を示した。Siebel CRMはすでに国内の金融業界で高いシェアを持つが、金融業界の「一番大きなマーケットは手組みのアプリケーション」(OIS 代表取締役 村上智氏)といい、パッケージソフトウェアのメリットをアピールして売り上げの向上を狙う。
OIS 代表取締役 村上智氏 |
オラクルはERPの「Oracle E-Business Suite」(EBS)、米本社が出資するi-flexの銀行勘定系アプリケーション「FLEXCUBE」、「PeopleSoft」の人事・給与アプリケーション、Siebel CRMと多くのアプリケーションを持つ。
日本オラクルの常務執行役員 エンタープライズアプリケーション営業統括本部長 桑原宏昭氏によると、EBSでは新BIS規制対応ソリューションが好調で、地方銀行を中心に14行が導入。EBSのバックオフィスソリューションも2件の導入があった。FLEXCUBEも新規導入が1件決まった。FLEXCUBEはオラクルが「今後2年を見ると金融事業の大きな柱になる」と位置付ける製品。桑原氏は「順調な滑り出しだ」と話した。オラクル、OISの金融機関向けソリューション事業は「昨年度を比べて2倍近いビジネスになっている」(桑原氏)という。
金融機関向けソリューション事業を支える大きな柱に育てたいのがSiebel CRM。国内のCRM市場は260億円の規模があるが、その81%は手組みアプリケーションといわれる。オラクルが切り崩したいのはこのエリアだ。桑原氏も「手組みが最大のコンペティター」と力を込める。主に狙うのは銀行の手組みのCRMと、製品別、用途別に分断された保険業界のコンタクトセンターソリューション。
銀行、保険業界に対して、Siebel CRMへのリプレースを提案する。ベストプラクティスに基づいたSiebel CRMのビジネスプロセスや、短期導入、欧米を中心とした導入事例をアピール。村上氏は特に「手組みの2分の1、3分の1の期間で導入できる」と述べ、短期導入を強く訴える考えを示した。
(@IT 垣内郁栄)
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