「PowerCenter 8」発表

ビジネスウェブ化する企業データを統合、インフォマティカ

2006/10/31

 米インフォマティカの会長兼CEO ソヘイブ・アバシ(Sohaib Abbasi)氏は10月31日都内で会見し、企業を取り巻くIT環境が、パートナー企業が提供するネット上のサービスを組み合わせた「ビジネスウェブ」になりつつあると指摘した。ビジネスウェブ化することでデータの散在が進むと同氏は指摘し、インフォマティカが展開するデータ統合の重要性を指摘した。

informatica01.jpg 米インフォマティカの会長兼CEO ソヘイブ・アバシ氏

 アバシ氏はビジネスウェブ化した企業の例として米シスコシステムズを挙げた。「いろいろな役割を他社に外出しし、重要なデータがどこにあるか判断が難しくなっている」と指摘した。ビジネスウェブを構成する要素はIT部門のアウトソーシングや、ビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)、SaaS(Software as a Service)など。これらは企業のコスト削減につながるというメリットがある半面、「データがより断片化し、組織の境界を超えて向こうに行く」(アバシ氏)という側面がある。

 インフォマティカ・ジャパンは、データ統合プラットフォームの新製品「PowerCenter 8」を同日発表した。2007年第1四半期にはSaaSアプリケーションの代表格「Salesforce.com」と同製品を接続するためのコネクタ「PowerCenter Connect for Salesforce.com」を販売開始する。データの分散を防ぎ、SaaSを含めてデータをPowerCenterで統合する。さらに米インフォマティカは2007年中にパートナーと協力し、Salesforce.comとのデータ統合をオンデマンド環境で行えるようにする。アバシ氏は「ユーザーはよりシームレスなデータのマイグレーションが可能になる」と話した。

informatica02.jpg インフォマティカがデモした「PowerCenter Connect for Salesforce.com」の画面。Salesforce.comのテーブルとデータベースのデータをGUIでマッピングできる

 米インフォマティカは次の段階としてSaaSだけでなくアウトソーシング先のデータやBPOのデータを含めてオンデマンドに統合することを計画している。アバシ氏は「ソフトウェア自体は2007年に完成する。2007年から2008年にかけてパートナーに具体的に提供できるようになる」と説明した。

 PowerCenter 8はオプション機能でグリッド・コンピューティング環境を構築できるようにしたのが特徴。複数のサーバでクラスタ構成を組むことができ、「フェイルオーバーとリカバリを自動化する」(アバシ氏)。システムの可用性が向上し、データ統合のプラットフォームとして信頼性が増すとしている。データ変換処理を高速化する「プッシュダウン オプティマイゼーション」もオプションで利用可能にした。価格は1CPUで1400万円から。オプション料金は別。出荷は12月を予定している。

(@IT 垣内郁栄)

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