2007年には「Intel vPro」にも対応予定
富士通、ITILに対応し、日本版SOX法や内部統制を支援する管理ソフト
2006/11/01
富士通は11月1日、同社の総合運用管理ソフトウェア「Systemwalker V13.1」を発表した。V13.1ではITILに対応し、ITILを活用して運用プロセスからシステム操作までを統合的に統制することで、内部統制や日本版SOX法の対応に必要な「システムが正しく運用されている」ことの証明を支援する。
Systemwalkerは富士通が1995年から提供している統合運用管理ソフトウェア群で、ITのトレンドとともにさまざまな機能を追加してきた。V13.1では、「ITガバナンスを支えるIT運用を実現」をスローガンにITIL準拠を実現している。累計ライセンス数は2006年9月末時点で500万本で、ミック経済研究所による調査によると、2005年度の運用管理システムパッケージ出荷金額におけるシェアは17.5%で1位だった。
Systemwalkerは、イベント監視製品「Systemwalker Event Agent V13.1」やソフトウェア配信ソフト「Systemwalker Software Delivery V13.1」など、11製品で構成される。今回新たに発表された新製品は、ITILに基づいた運用プロセスを標準化する「Systemwalker IT Process Master V13.1」、サーバの稼働状況を業務の視点で監視する「Systemwalker Availability View V13.1」、資産管理製品「Systemwalker Desktop Patrol Assessor V13」の3製品。さらに既存の運用管理製品である「Systemwalker Centric Manager V13.1」は機能拡張された。
富士通 ソフトウェア事業本部 運用管理ソフトウェア事業部 事業部長 新田将人氏は、「エンロン事件をきっかけに企業のコンプライアンスに対する意識が変わった。しかし、これまでは個人情報保護法への対応など、フロントエンドでの対応がほとんどだった。今後、日本版SOX法や内部統制に対応していくためにはバックエンドでも対応しなければならない」と警告。特に日本版SOX法では、ITへの対応においてITを使った業務統制を実施する「業務処理統制」や、IT全般統制において「いままではシステムを安定稼働させていればよかったが、これからは『システムが正しく運用されている』ことを証明する必要もでてくる」(新田氏)と語り、運用プロセス統制の必要性を強調した。
例えば、統制された運用では、「運用プロセスの見える化」や「インフラの見える化」「正しい運用の監査」などが実施されている必要がある。一方で、これらはITILにおける「サービスサポート」「ICTインフラ管理」「サービスデリバリ」でそれぞれ定義されているという。このサービスサポートや運用プロセスの見える化を支援するのが、新製品である「IT Process Master」だ。IT Process Masterは運用プロセスをワークフローや帳票化することで、運用プロセスの見える化を支援する。また、富士通がこれまで蓄積してきた実践ノウハウもテンプレートとして提供する。
次に、ICTインフラ管理やインフラの見える化は機能拡張されたCentric Managerが担う。Centric Managerは、他社の運用管理製品も含めた統合的な監視ができるほか、サーバアクセスやユーザーの作業画面の録画など、さまざまな監視体制を備えている。サービスデリバリや正しい運用の監査は、新製品のAvailability Viewで対応する。Availability Viewは、サーバのバッチ処理などについて、計画と実績の比較ができるほか、稼働率やキャパシティのレポート、時間軸での監視なども可能とした。
新田氏は、「日本版SOX法に対応した運用プロセスを突き詰めると、自然とITILに準拠した運用方法となった。Systemwalkerは他社の運用管理製品も統合できるほか、当社が培った運用ノウハウをテンプレート化し、ワークフローと帳票において提供するので、ノウハウが重視される運用において、この点はポイントになるだろう」と語った。今後の予定としては、インテルが発表している次世代ビジネスクライアント「Intel vPro」へ対応し、リモートからの電源のオン/オフやハードウェア構成情報の収集などを、2007年の第1四半期をめどに実現したいとした。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
最新記事
|
|