パートナー14社が協力
“世界最大級”100ノードのグリッド構築、日本オラクルが検証施設
2006/11/07
日本オラクルは11月7日、サーバベンダなど国内14社と協業し、グリッド・コンピューティング技術の検証を行う「Oracle GRID Center」を国内のデータセンターに開設したと発表した。パートナーがハードウェアを提供し、グリッド普及のための技術検証、ソリューション開発を共同で行う。Oracle GRID Centerは全サーバ、ストレージを合わせると100ノード、70TB以上の規模になる見込みで、オラクルは「世界最大級のグリッド検証環境」とアピールしている。
Oracle GRID Centerに協力するのはサン・マイクロシステムズ、デル、日本IBM、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所、富士通など計14社。システム・インテグレータなどに今後も追加参加を呼びかける。
検証するのは、データベースだけでなく、ミドルウェアやアプリケーションなど複数サービスを安定的に稼働させるための基盤としてグリッド環境が利用できるかどうか。オラクルは2003年に出荷開始した「Oracle Database 10g」でグリッド環境への対応を大きく打ち出した。その後、アプリケーションサーバなどミドルウェア層にもグリッド対応を拡大した。
Oracle GRID Centerでは、オラクル製品とパートナーのサーバ、ストレージなどを組み合わせて、サーバ統合や高可用性、SOA技術、大規模データウェアハウス、統合管理などを検証する。エンドユーザーのニーズをくみ取り、ITシステム環境の現状に適したハードウェアの最適構成やソリューションを開発。サーバに組み込まれた仮想化技術と、Oracle Database 10gの仮想化技術との連携も検証する。グリッド技術者の育成にも利用する。
Oracle GRID Centerは日本オラクルの技術者30人程度と、パートナーごとに数人の技術者で構成。関係する技術者は当初、100人程度になる見込み。日本オラクル 代表取締役社長の新宅正明氏は、複数サービス基盤としてのグリッドを検証することで、「SaaS(Software as a Service)など新しいサービスの基盤にもなる」と強調した。日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏は「パートナー企業がサーバに組み込んだ仮想化技術と、オラクルの仮想化技術を融合することでユーティリティ・コンピューティングが実現すると信じている」と話した。
検証結果は2007年第1四半期にも公表する予定。新宅氏は「顧客の要望は千差万別。いかにサーティファイされた環境をパートナーとともに顧客に届けるかが重要だ。スピードを上げて届けていく」と述べた。また、三澤氏も「パートナーとの協力で、グリッドをProven(証明された)で、Mature(成熟)にしていく」と強調。会見には国内の主要サーバベンダの担当者が出席。オラクルとの連携の強さを示した。
日本オラクルは次期データベース「Oracle Database 11g Beta」のテストをパートナーと開始している。Oracle Database 11gは基盤全体の高度なリソース管理、運用自動化機能の向上が図られる。新宅氏は「できるだけ早く市場に投入する」と語り、早期投入の意向を示した。
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