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IT業界の仕事は面白くない
2007/07/02
先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングには“職場としてのIT業界”をテーマにした記事がランクインした。第1位は「会社を3年で辞めるのは『学生の思い込み』が原因?」で、企業の人に注目して入社を決意する学生の姿と、現実とのかい離から退社を選ぶ社員の現状をレポートする。
第4位の「日本のIT技術者が尊敬されなくなってきた――IPAイベントから」は、IT企業トップや元情報システム担当者のてい談を伝えた記事。最先端技術を武器にする職業ながら、その職場環境はレガシーという矛盾した状況を解説する。
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IT業界に就職した学生が皆3年で辞めて、他業界に転職しているとは思えないが、IT企業に勤めるエンジニアには閉塞感を感じている人が多いように思う。もちろん、モチベーションを高く維持し、技術開発に取り組むエンジニアも多数いることは理解しているが、コストの低減や短納期を求められ続ける中で、自分の理想を失っている人もいるのではないか。その閉塞感が業界からにじみ出て、学生の人気低下につながっている。
IT業界の仕事は面白くないのだろうか。記者は記事の中で「IT技術者の仕事は、いまはクリエイティブではなくなってしまった――これがIT企業が学生に不人気な理由ではないだろうか」と書いた。“ITゼネコン”とも揶揄(やゆ)される業界の下請け構造の中では、企業の規模を問わず、エンジニアが自らの創造性や創意工夫を発揮できない。すべては米国IT企業のコピー――しかも前例主義なので本当に革新的なサービスはコピーできない――とは言わないが、ITに関して好きなことをやって、それが広く評価されるという環境でないのは確かだろう。
日本のIT業界を面白くするのは大企業にはそぐわない“変わり者”が設立したベンチャー企業や、企業内ベンチャーだ。Web 2.0のブームに乗り、そのような技術とアイデアで一発勝負をするような企業が最近、ワッと増えた。米グーグルやTwitterのマネかもしれないが、何よりも勢いを感じる。100社のうちで1社しか残らないかもしれないが、どこにもない革新が生まれる可能性がある。ベンチャーの勢いが大手IT企業にも波及すれば、日本のIT業界全体が活気付くのだが。
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