Weekly Top 10
公衆充電スポットがほしい
2007/10/01
先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングは第1位は「川崎のマックがなぜか上位――公衆無線LAN利用調査」だった。無線LANローミングサービスを提供する米アイパスによれば、国内で公衆無線LANの利用が多いのは、トップから順に成田空港、羽田空港、JR東京駅、JR仙台駅などが続き、5位には川崎市のマクドナルド武蔵中原アルカード店が入っている。同店付近には富士通川崎工場や富士通研究所などがあり、富士通関係者らが頻繁に利用しているのかもしれない。真相は分からないが、世界の玄関である成田空港と地方都市のマクドナルドが同じランキングに登場するのはいかにもミスマッチ。そもそも公衆無線LANそのものの利用者が少ないのではないかと思わせる。
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個人的に気になったニュースは「置くだけでノートPCを十数分で充電」。村田製作所とセイコーがワイヤレスで高速充電を行う技術を共同で開発するというニュースだ。3年後の製品化という説明に、どれほどリアリティがあるのか分からないが、ノートPCやケータイ、そのほかのモバイル機器がホットプレートのような充電器の上に置くだけで高速充電できるという夢のような技術だ。
LANやUSB、オーディオといった接続は、それぞれWiFi、ワイヤレスUSB(UWB)、Bluetoothなどで無線化しつつある。そんな中、電源ケーブルだけはずっと最後の最後まで残ると思っていたが、案外早くワイヤレス化が実現するのかもしれない。もちろん、ほかの「ワイヤレス」が数メートルから数十メートルの空間を隔てて信号を伝えるのに対して、電源のほうは「接点なし」という意味でのワイヤレスという違いはある。
しかし「接点なしの」の意味は大きい。
1つは、接点なしで電気が送れるということは、モバイル機器間でバッテリの残りを融通し合えるようになる可能性もあるということ。伝送ロスを考えると出先で融通し合うのはひもじい感じもするが、何か新しい使い方があるかもしれない。
接点なしの意義で大きいのは、ACアダプタのプラグ形状や電圧規格の違いによる煩雑な充電作業から解放される可能性があることだ。もちろん規格が標準化される必要はあるが、1つの充電器であらゆるデバイスの充電ができるとすれば、すばらしい。そんな充電器の実現が可能なら、多少高くても構わないというユーザーは多いのではないだろうか。機器ごとに個別の充電器が必要なため、私は出張のたびに「マイタップ」を持って行っている。自宅の充電器類の数は数えたくもない。
単一の充電器で多くのモバイル機器を充電できるとなれば、レストランや空港、コンビニなどといった場所に「充電スポット」を用意できるかもしれない。水ほど安くない電気では難しいかもしれないが、公園の水飲み場のような「公衆充電場」があれば助かる。もともと電気が来ている自動販売機なら、10分100円で電気を売れるかもしれない。すべてプラグ形状や電圧の違いという理由で、今ままでは考えられなかったようなアプリケーションだ。
ほかのワイヤレス技術がそうであるように、ワイヤレス充電器というのも、どこかのメーカーが実現して「うちの製品が便利になりました」で終わる話ではない。新たな社会インフラとなって、われわれのライフスタイルを変えるようなポテンシャルを持っている。村田製作所とセイコーの今後の技術開発に期待したい。
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