Weekly Top 10
メール添付はもう止めよう
2007/09/25
先週の@IT NewsInsightのランキングトップは、PCの価格動向を伝える記事「ノートPCが値下げ傾向」だった。Windows Vista登場後もいまいち盛り上がらないPC市場。台数は微増を続けるものの、単価は下がっているようだ。そのほかには通信事業者の動きが活発になってきたWiMAX関係の記事がランクインした。
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メール添付でトラブル
個人的に納得したのは3位に入った「MSが新BIで提案、『Excelのメール添付はもう止めよう』」だ。マイクロソフトが発表した新しいビジネスインテリジェンスツール「Microsoft Office PerformancePoint Server 2007」についての記事だが、その会見でマイクロソフトの担当者はメールにドキュメントを添付することの非効率を指摘した。「情報の不足や入力ミス、指定した期日までに集まらない」などがあるという。予算策定などのプロセスでは財務担当者が各部門の責任者に予算策定のフォーマットをメール添付して配布。部門責任者がフォーマットに記入して再びメール添付して返信するなどの利用法が多い。
このメール添付のプロセスは社内外を問わず、予算策定だけでなく多く行われているのではないだろうか。しかし、メール添付を繰り返すうちにドキュメントを紛失し、どのドキュメントが最新か分からなくなる、複数のメンバーにメール送信していると返ってきたコメントを集約するのが大変で、間違いが起きやすい、そもそもメールが帰ってこない、などのトラブルを個人的に経験したことがある。
「メールにすべての役割」の限界
メール添付をめぐるトラブルを避けるにはドキュメントの一元化が効果的だ。上記のマイクロソフト製品もドキュメントを一元管理し、承認プロセスを別に設けたうえでリンクさせることを提案している。GoogleドキュメントなどのSaaSアプリケーションでの共同作業もドキュメントを一元化し、そのドキュメントに複数ユーザーがアクセスする形態だ。
メールにすべての機能を持たせようとすることがトラブルを生んでいるのではないだろうか。メールアドレスを指定するだけで誰とでもコミュニケーションが取れるメールはとても便利だし、実際に企業のコミュニケーションを変えた。しかし、万能ではないし、脆弱な面もある。メールが現在担っている多くの役割の一部を肩代わりするアプリケーションが普及すれば、企業のコミュニケーションはより効率化するだろう。
昨年、ガートナージャパンの志賀嘉津士氏は2011年には「ビジネスワーカーの電子メール利用が半減」していると指摘した。この指摘が現実味を帯びてきたように思う。
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