NECでは2014年初夏からベータ版を用いて検証作業を開始し、正式版がリリースされた7月以降は詳細な技術検証やOracle Exadata上での検証、そしてNEC Oracle Database 高速化ソリューションでの検証を行ってきた。その結果、ほとんどの検証パターンで高速化の効果を確認できたと廣田氏は話す。
「まったくチューニングを行っていない状態でも、単純なクエリ処理で最大約168倍、性能を出しにくいクエリでも約3.5倍の高速化が見られました。また、Oracle Exadata上での検証でも高速化の効果を確認しています。Oracle Exadataは、それ自体が非常に高速なデータベース基盤であるため、Oracle Database In-Memoryの効果が出にくいのではないかと予想していました。ところが、あいまい検索などで使われる中間一致検索では、約22倍もの高速化を図れたのです」(廣田氏)
Oracle Database In-MemoryとOracle Exadataとの組み合わせには、「フォルトトレランス」の機能が利用できるというメリットもある。
汎用サーバーを使用した通常のOracle Real Application Clusters(RAC)環境でOracle Database In-Memoryを使用した場合、データが各インスタンスのメモリに分散して展開される。そして、いずれかのインスタンスに障害が発生すると、そのインスタンス上のメモリデータを使えないことからディスクアクセスが必要となり、性能が落ちてしまう。そのため、残りのインスタンス上に再度データを分散させる再ポピュレーション(インメモリカラムストアへのデータロード)が必要となる。
一方、フォルトトレランスが有効となるOracle Database In-MemoryとOracle Exadataの組み合わせでは、各インスタンスのメモリに全てのデータが展開されるため、いずれかのインスタンスに障害が起きた際にも正常に動作しているインスタンスでインメモリ処理を継続できる。NECではOracle Exadata X4を使ってこのフォルトトレランス機能を検証し、正常に動作することを確認している(現在、Oracle Exadata X5でも検証を開始)。
NEC Oracle Database 高速化ソリューションにおける検証でも、Oracle Database In-Memoryは極めて高い性能を発揮している。通常の処理に比べて最大14倍の高速化の効果が確認された他、表圧縮の機能(Advanced Compression Option)と組み合わせた場合も問題なく動作した。
ただし、留意すべき点も見つかっている。例えば、メモリ上にデータを読み込むポピュレートに要する時間である。ポピュレート中もデータにアクセス可能だが、実際の運用では考慮が必要だ。
「Oracle Database In-Memoryを使う場合は数百GB程度のメモリを使用することを想定しますが、その際のポピュレートに数十分以上を要する場合があることが分かっています。こうしたことを事前に把握していないと、期待していたシステム運用ができなくなるため注意が必要です。もっとも、NEC Oracle Database 高速化ソリューションならばハードウエア構成が事前に決まっているので、ポピュレートにどの程度の時間がかかるのかは導入前に把握できます。事前の検証によってこのような知見を蓄えておくことで、お客さまへのスムーズな導入をお手伝いできると考えています」(廣田氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年4月30日
驚異的なパフォーマンス、優れた運用効率、最高の可用性とセキュリティ、クラウド対応を実現するOracle Exadataとの統合、クラウド、可用性や運用管理など、次世代データベース基盤構築のために参考になる必見資料をまとめてご紹介いたします。