一方、先のシステム構成図に示した通り、Oracle Java Cloud Serviceについては、Oracle WebLogic Serverとロードバランサー(Oracle Traffic Director)を使い、無償のクラウド版チーム開発環境「Oracle Developer Cloud Service」上の負荷ツールによってワークロードを発生させることによって検証を行った(以下にOracle Java Cloud Serviceの検証に用いたシステム構成図を再掲)。具体的には、「ユーザー側でOracle WebLogic Serverのノード数を柔軟に増減(スケールアウト/スケールイン)できるか」、それに合わせて「ロードバランサーが正しく動作し、各ノードに均等に負荷が分散されているか」を検証している。
全体の負荷量を変えずに、Oracle Java Cloud Service上でOracle WebLogic Serverのノード数を変化させた場合の1ノード当たりのCPU使用率を示したものが、次の2つのグラフである。
1つ目のグラフはノード数を順に増やした場合(スケールアウト)、2つ目のグラフはノード数を減らした場合(スケールイン)の推移である。これらの結果から分かるように、スケールアウトの場合、ノード数が倍ならば1ノード当たりのCPU使用率は約2分の1、4倍ならば約4分の1といった具合に正常に負荷が分散されていることが分かる。スケールインについても同様だ。なお、検証に際しては連続的に負荷をかけ続けながら、Oracle Java Cloud Serviceの管理画面を使ってダイナミックにノードの増減を行っている。
検証作業を担当したPSソリューションズ エンタープライズ事業推進部の福田隆弘氏は、「検証時には、併せてJavaのヒープ使用率なども確認しましたが、特に問題は生じていません。ノードの増加/減少の際にエラーが起きるといったこともありませんでした」と振り返る。
また、杉山氏と同様、クラウドならではの手軽さには大きな魅力を感じたようだ。
「スケールアウト/スケールインを行う際、Oracle Java Cloud Serviceでは管理画面上のボタンひとつで設定と実行が行えます。特にライセンス購入やソフトウエアのセットアップ、ネットワークの設定変更といった作業が自動的に済んでしまう点は、提供時間の短縮に大きく貢献すると感じました」(福田氏)
福田氏の試算によれば、サーバー調達の期間まで含めて考えると、オンプレミスの場合に数週間から数カ月かかっていた導入期間を、わずか数十分程度にまで短縮できる見込みだという。
「今回、Oracle Java Cloud Serviceのスケールアウト/スケールインの性能を検証し、ネットワーク周辺の自動的な設定変更が非常にスムーズに行われたことに強く感心しました。同じクラウドでも、一般的なIaaS(Infrastructure as a Service)を使った場合、ネットワークの設定変更やOracle WebLogic Serverのセットアップなどをユーザー側で考えて作業する必要があり、そこで多くの手間と時間がかかってしまいます。それらが自動的に行われ、なおかつライセンス購入などの事務手続きが不要である点は、Oracle Cloud Platformならではのメリットといえるのではないでしょうか」(福田氏)
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年1月2日
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