日本国内における「Oracle Exadata」の導入推進において大きな存在感を放つNEC。2012年に取り扱いを開始して以来、さまざまな業種/業界に170台以上を導入してきた同社のエキスパートらに最新の活用事例や取り組みを聞いた。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System]
本サイト記事「一次サポートの対象をEngineered Systems 5製品に拡大:Oracle Exadata国内販売数No.1のNECが次に向かう先は? オラクルとの協業強化で企業のデータ活用をさらに加速」でも紹介したように、NECは現在、独自の技術とノウハウを駆使しながら、Oracle ExadataをはじめとするEngineered Systemsを利用する企業へのサポートを拡大している。ここでは、その取り組みの詳細やOracle Exadataの最新の導入事例について、同社エキスパートらの声を通して紹介する。
Oracle Exadataは今日、圧倒的なパフォーマンスを備えるデータベース基盤として多くの企業で活用が進んでいる。その導入支援において、NECはオラクルの国内パートナーでは最多となる170台以上の実績を誇る。最近では、全日本空輸(以下、ANA)の国際線旅客システムの刷新プロジェクトにおいて、Oracle Exadataを活用したシステムを構築している。
このプロジェクトを支援した青木洋児氏(NEC 流通・サービス業システム開発本部 プロジェクトマネージャー)は、システムインテグレーションの領域における同社ならではの強みについて、次のように話す。
「お客さまに提案を行う際には、業務の中でシステムに何が求められているのかを把握し、それに適合したプラットフォームを選定する必要があります。このとき、現場のSEの知識に、当社の製品部門が豊富に蓄積したノウハウを組み合わせてお客さまの要件に最適な提案をできることが当社の強みの1つです。加えて、提案フェーズのみならず、それ以降の設計やテストのフェーズでも、製品部門からの手厚い支援が得られることも当社の特色だと考えています」
例えば、ANAのプロジェクトでポイントとなったのは“国際線旅客システムのクラウド化”である。従来は自前のホストコンピュータ上で稼働していたが、これをAmadeus(アマデウス)社がSaaSとして提供する「Altéa(アルテア)」に移行している。NECが支援したのは、Altéaや国内線旅客システムなどとの連携基盤や共通サービス基盤、データ提供基盤などを実現する「CAP2」と呼ばれる大規模データ連携基盤の開発である。
このプロジェクトでOracle Exadataを選択した理由の1つとして青木氏が挙げるのが、厳しい性能要件を満たすパフォーマンスを備えているという点だ。
「Altéaから出力されるEDIFACT形式は非常に複雑であり、1回のトランザクションで1つのデータが200テーブルに分割して書き込まれるというものでした。加えて、ピーク時にはそのデータが秒間20件以上発生することが当初から分かっていました。このように複雑なデータを取り込んだ上で、さらに社内システム向けに再加工して出力する必要があります。夜間の決められた時間内に数千/数億件ものテーブルからデータを抽出することが求められる他、リカバリーも含めたサービスレベルの要求も極めて厳しいものでした。これらの要件を満たすには、Oracle Exadataが最適だと判断したのです」(青木氏)
膨大なデータを高速に処理できる高いパフォーマンスに加えて、Oracle Exadataの強力なデータベース圧縮機能「Exadata Hybrid Columnar Compression」も、このプロジェクトでは大きな役割を果たした。
一般に、想定したサイジングよりもデータ容量が大きくなった場合、保持期限を短縮して過去のデータを廃棄するか、ストレージを追加するかといった手段が採られる。ANAのプロジェクトでは、実際にデータベースへデータを投入してみたところ想定を超える容量に達したが、Exadata Hybrid Columnar Compressionを使うことでデータ容量を7分の1にまで削減し、データ保持期限の短縮やストレージの追加を行うことなく要件を満たすことができた。
このプロジェクトを通じて、青木氏はあらためてOracle Exadataの性能面のメリットの大きさを実感したと明かす。
「今回のシステムのように極めて複雑なデータを扱う場合、通常であればインデックスを張るなどのチューニングを駆使する必要があります。場合によっては、中間データをバッチ処理で作成して必要なデータを用意するなど、システム構造の見直しにまで発展しかねません。しかし、極めて高い処理能力を備えるOracle Exadataであれば、システム構造にまで手を入れることなく、チューニングの範囲で対応することができます。これはプロジェクトを円滑に進めるうえで大きな効果をもたらしたと思います」(青木氏)
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年2月24日
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